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急行列車2本
急行列車2本と言っても列車の名前は同じ、
歴史ある欧州の豪華長距離急行「オリエント急行」である。
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「オリエント急行」とくれば、これはもう、映画の話、
「オリエント急行殺人事件」の旧作(1974年)、新作(2017年)となる。

ただ、映画の話の前に、オリエント急行そのものと、
原作者アガサ・クリスティに触れてみたい。

「オリエント急行」は1883年、
トルコのイスタンブールとフランスのパリを結ぶ
特別長距離列車として走り始めた。

その後、起点~終点がフランスのカレー、ベルギーのオステンド、
ギリシャのアテネ、ルーマニアのブカレスト等々、鉄道網が広がったが、
今でもヨーロッパを代表する高級長距離列車だ。

推理小説「オリエント急行殺人事件」が書かれたのが1934年
舞台となる列車はシンプロン・オリエント急行で
イスタンブールを出発しトリエステ、ヴェネチア、ミラノ、
ローザンヌ、パリを経由してカレーが最終目的地となっている。
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また、この小説はミステリーの女王と言われた
アガサ・クリスティ―の14作目であり
急行列車の起点、イスタンブールの高級ホテル「ペラ・パレス」で執筆した。

今でも彼女が投宿した部屋は保存されており
数多くのファンが訪ねるという。
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「オリエント急行殺人事件」が最初に映画化されたのが1974年、
監督が「十二人の怒れる男」「女優志願」「セルピコ」「評決」等
秀作を次々と手掛けた社会派の雄、シドニー・ルメット。

そして豪華極まりのない配役が世間をあっと言わせた。
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アルバート・フィニーのエルキュール・ポアロ以下、
イングリッド・バーグマン、ショーン・コネリー、リチャード・ウイドマーク、
アンソニー・パーキンス、ローレン・バコール、ヴァネッサ・レッドグレーブ、
マイケル・ヨーク、ジャクリーン・ビセット等
とんでもない顔ぶれが勢ぞろいした。

手練れのシドニー・ルメットが名だたる人気俳優を見事に使いこなした作品は
バーグマンにアカデミー賞をもたらせ、全世界で大ヒットを記録した。

オリジナル作品(旧作)が名作であればあるほど
リメークするのはやりにくく勇気がいるものだが
現代だからこその風合いを見せた新作もなかなかに面白い。
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旧作が1974年、以来43年の月日が流れ
その間の映画の技術の進化がこの作品にまざまざと見て取ることが出来る。

その進化とは主に映像・音響であり、
この作品では通常のCGとは違って本物志向が感じられた。

モスクが立ち並ぶエキゾチックなイスタンブールを出発、
山間部に入りトンネルを抜けて雪山の世界に列車は入っていく。

観客はあたかもオリエント急行の一員になったかのように
シャンパンを飲み、美味しい食事をとりながら景色に映画に魅入られる。

勿論、このお話の主役は名探偵エルキュール・ポアロ。

アルバート・フィニーが演じた旧作のポァロを思い浮かべながら
ケネス・ブラナーが扮した名探偵を鑑賞するのも一興である。
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旧作は当時38歳のアルバート・フィニーが
これがフィニーかと驚くほどのメーキャップで一大変身、
変人ポアロをしつこいほどのアクの強さで演じたのが印象的だった。
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一方、新作のポアロはシェークスピア俳優で有名なケネス・ブラナー、
こちらはアクの強さでは一歩譲るが、
原作にあくまでも忠実なトレードマークの髭を売り物としている。
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どちらが好きかは映画ファンの嗜好によりけりだが
私には旧作のアルバート・フィニーの方がぴたりとくる。

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# by shige_keura | 2018-01-14 11:02 | | Comments(0)
七福神めぐり
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1月7日の朝食は勿論、「七草粥」、
セリをはじめとした青菜の入った粥が腹に優しい。

ベランダから覘く空は真っ青、
「七福神めぐり」には絶好の陽気だ。

なにしろ、孫が中学お受験だから
洋の東西を問わず、神という神にはひたすら祈願となる。

「七福神めぐり」は年々盛んになっており
都内だけでも30か所以上も存在しているらしい。
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今回選んだのは、「池上七福神」、
池上線の「池上」で下車、
先ず向かったのが本門寺とは逆の方角に位置する「曹禅寺」。
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この寺は福徳、円満、忍耐を授ける
弥勒菩薩の化身とされる布袋様を祀っており、
祠の中に安置された布袋尊像が
大きな腹を抱えてにこやかな笑みを浮かべている。
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今年も布袋様のような笑顔を絶やさずに過ごせたら最高だ。
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次なるは毘沙門天を本尊として祀る「微妙庵」、
無病息災の御利益だけに、ひたすら吾らの健康を祈願する。

ここでトラブル、次の目的地探しに時間を費やし、
通りかかったお蕎麦屋さんの出前の方に尋ねた。

「あー、馬頭観音堂ね。あそこ分かりにくいんだよね。
 迷うのも無理ないよ。すぐ近くだけど、今、工事中だよ」。

工事中の観音堂には大黒天が祀られているのだが、
現在ほかのお寺に引っ越し中。
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工事中の観音堂には鍵がかかり中には入れず
庭を野良猫が我が物顔に横切り人っ気は更になし。
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ここから先は池上本門寺の敷地近くに入っていく。
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ここは「本成院」、本門寺総門前の参道に位置し、
幸福と長寿を授ける福禄寿が祀られている。
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ガラス越しに収められている福禄寿と同じような
穏やかな老人の笑みを浮かべられたら良い。

ここで、「七福神」とは関係ないのだが
すぐお隣の「理境院」を覘く。

ここは慶応3年(1867年)
官軍参謀の西郷隆盛が東征軍を率いた時の宿舎。
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更には近くには隆盛と勝海舟の対談の地「松濤園」があり
大河ドラマの恩恵で、この付近は今年ブレークするのではないか。

「七福神めぐり」の次の目的地が「厳定院」
七福神唯一の女人神の弁財天を祀ってある。
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残りはふたつ、その一つが「妙見堂」、
池上の町を見下ろす高台にある小さなお堂は
長寿と学を授ける樹老人を祀ってある。
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孫のお受験に最も関わり合いのある神様
爺のお祈りも一際熱が入る。

尚、この神様は一般的に寿老人と表されていることが多いが
ここは樹の下で教えを説いたと伝えられていることに因み
「樹老人」の文字が書かれている。
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急な階段を下りると「養源寺」、
今回訪れた中で最も大きなお寺には
家庭円満、商売繁盛の恵比寿様と
一時的に引っ越した大黒様が祀られている。
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行程は約2時間、風が若干冷たさを増す中で
青空を背景に冬桜が満開。
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池上の寺町でお汁粉で一休み、
そのあと、梅屋敷の密かな鰻の名店「松本」に向かった。
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歩いて良し、食べて良しの一日だった。

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# by shige_keura | 2018-01-11 08:58 | その他 | Comments(0)
初春の掘り出し物
例年通り、年末年始はTSUTAYAで何枚かのDVDを借りて
自宅で好きな時間にゆっくりと旧作を楽しんだ。

なかでも、今まで何故見なかったのか不思議な作品を
漸く観ることが出来て十二分に満喫した。

映画は「料理長殿ご用心」(1978年公開)。
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オリジナルタイトル、”Who is killing the Greatest Chefs of Europe”の通り、
欧州で名だたる三名の名シェフを殺したのは誰かというお話だ。

本作品はフランス、イタリア、アメリカ、ドイツ合作の
国際色豊かな作品だが、フランス・イタリアの味わいが出ているのが良い。

ロマンチック・ユーモア・サスペンスが全体のトーンなのだが
このような作品の場合、ヨーロッパの方が一層洒落た風味に仕上がっている。

舞台がロンドン~ヴェネチア~パリ欧州の香り豊かな街、
そして全編に溢れる料理のメニューはと言えば
鳩、ロブスター、鴨肉とくるのだから堪らない。
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食い正月で満腹となって料理は元来見たくないところなのだが、
フランス、イタリア料理となると話が違う。

頭の中は赤ワインとフォアグラ、仔羊、鴨等が次々と浮かんでくる。

そして、この映画の最大の成功要因は
渋く芸達者の役者を揃えていることだ。

決して超一流のスーパースターの名前は出てこないが
欧米の手練れが次々と画面に登場する。
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主役の女性シェフ、ナターシャにはジャクリーン・ビセット。

1968年、スティーブ・マックィーンの「ブリット」で初めて見たときは
決して目立ったところがない女優だった。
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それが10年も経た本作の1978年には
より洗練され、演技的にも飛躍的に上達した役者に成長した。
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料理雑誌編集長として登場はロバート・モーリー、
彼を始めてみたのが1950年代の「80日間世界一周」
その時から腹回りが更に大きくなった彼は
グルマン編集長として、まさにぴたりとはまっている。
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極め付きは、フランス人シェフとしての登場がフィリップ・ノワレ、
私の最も好きな映画、「ニューシネマ・パラダイス」で
トトが慕う映画技師として本編を盛り上げた俳優だ。
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更には、ジャン・ピエール・カッセル、ジョージ・シーガル、
ステファノ・サルタ・フローレス等々
観ていて安心の役者が次々と出ている。

肩の凝らない素敵な作品は正月休みにはまさにうってつけ!



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# by shige_keura | 2018-01-09 15:54 | | Comments(0)
馬の足
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「馬の足」と言っても、競馬の話ではなく
歌舞伎に関わるお話だ。
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5日の国立劇場は獅子舞、鏡餅、役者羽子板、
お正月気分満載。
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そのなかでの初春歌舞伎公演は
ここの所、毎年の恒例となっている
尾上菊五郎監修による通し狂言。
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演目「世界花小栗判官」が意味するように
新春らしい華やかな公演だった。
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中世以降語り継がれてきた「小栗判官」伝説は
歌舞伎、浄瑠璃の格好の題材となり
時代時代の好みに合わせて様々な脚色が成されてきた。

今回は室町時代、足利義満の治世、
謎の盗賊風間八郎と彼に父を殺された小栗判官の
紛失した重宝を巡っての争いが、
時には桜満開、またあるときは目も鮮やかな紅葉の舞台で繰り広げられた。

尾上菊之助の眉目秀麗は一際輝き、
久しぶりに尾上松緑が印象的な舞台を務めた。

このお芝居の呼び物の一つは
小栗判官(菊之助)の颯爽とした乗馬姿である。

歌舞伎の世界の言葉のひとつに
「あいつは所詮馬の足の役者よ」と
見下した言い方がある。

確かに馬の張りぼてに二人でもぐり込んで
顔は一切表に出ない馬の足役者は
舞台を張る主役とは決して言えない。

しかし、昔から「當世流小栗判官より馬の足」と言われている如く
このお芝居の馬は重要な役回りで大きな見せ場を作る。

張りぼての中に入った二人、
前の男は前が見えるが、後ろは全く見えないので
ぴたりと息が合わなくては馬の動きにはならない。

それが、今回の舞台では菊之助を乗せて
駆けるだけでゃなく、棹立ちになる。

そこで、馬上で扇を開く菊之助の格好の良さ、
大向こうから「音羽屋」の声が飛ぶ。
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2年連続で舞台上から投げ込まれる
ふるまいの手ぬぐいをゲットし
この冬一番の冷え込みの中、家路についた。


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# by shige_keura | 2018-01-07 10:40 | | Comments(0)
格調高き指揮者
2018年新年おめでとうございます。
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元旦は娘二人の家族とともにお墓参りからスタート、
愛宕神社の急勾配の階段、名付けて「出世の階段」、
いまさら出世もないのだが、今年も頂上まで踏破!
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六本木ヒルズでの昼食、ワインの福袋購入の後、
我が家で賀詞交換、お屠蘇、お抹茶、と例年通りのセレモニー。
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夕方にようやく老夫婦に静かさが戻るころ
御節料理、金沢風、セリたっぷりのお雑煮を燗酒で、
頃はよし、ウイーン「ニューイヤーコンサート」の時間となる。
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今年のコンサートは絶対に見逃せない。
何故ならば、指揮者がリッカルド・ムーティだからだ。
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それは、我々がローマで暮らしているころの1996年のことだった。

町の名前は全く覚えていないが、ローマから南に1時間余りと記憶している。

そして、どのような経緯で誘われたかも覚えていないのだが、
その時のコンサートの指揮者がリッカルド・ムーティだった。

いざ、指揮・・・、彼は突如観客に向き直った。
その目つきの鋭いこと、そして威厳に満ち溢れた様相、
観客のざわめきをたしなめる行為だった。

彼がウイーンのニューイヤーコンサートの指揮を始めて執ったのが1993年、
従ってローマ出会ったムーティはまさに上昇気流に乗り始めたころ、
体内のエネルギーがほとばしって弾けるような迫力溢れた指揮だった。

ムーティはナポリの生まれだから情熱的で一本気で血の気も多い、
その為に多くのライバル、仲間とも衝突した。

その中でも、最終的には和解が伝えられているが
同じイタリアの世界的指揮者、アバトとの衝突は有名だ。

仲間はムーティをこう評した。
「真のマエストロは妥協せず、気難しくなるものだ」。
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今年、喜寿を迎えるムーティ、
髪の毛の白髪、眼鏡、柔和となった顔つきに時の流れは感じさせたが
その指揮ぶりは今でも威厳に満ち溢れている。
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奇をてらわない、あくまでもオーソドックスに徹するムーティ、
「ウイーンの森の物語」「美しき青きドナウ」
そして「ラディッキー行進曲」お馴染みのシュトラウスの名曲を
心ゆくまで堪能した3時間だった。

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# by shige_keura | 2018-01-03 10:47 | | Comments(0)
大晦日の初雪
2017年の大晦日、朝8時過ぎのこと、
都心で初雪を観測したとの報に接した。

渋谷でも一時は雪が風に舞った映像が伝えられているが
不覚にも全く気がつかなかった。
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調べてみると、大晦日に初雪が降ったのは130年ぶりのこと、
1887年(明治27年)以来の出来事であるそうな。

これだけの珍しいことが起こったとなると翌年が気になる。

そこで、1888年の主な出来事をピックアップしてみた。

1月1日   日本標準時設定

4月30日  黒田清隆第2代内閣総理大臣
      枢密院議長に伊藤博文

10月27日  明治宮殿落成、皇城を宮城に改める

世界的に見てもイギリスはヴィクトリア王朝の平穏時、
アメリカ大統領がベンジャミン・ハリソンが選出,
余り仰天するような事件は起きていない。

願わくは、2018年の世界情勢と日本
これ以上緊迫化しないこと強く望む。

話変わって、新聞のテレビ版を見ると
黒沢明作品の大特集とある。

前回、テレビ局批判の手の平を返すようだが、
公共放送もたまには気の利いたことをやってくれる。

「七人の侍」「用心棒」「椿三十郎」等の
黒沢ワールドを存分に堪能した。

映画を娯楽と位置づけている私にとって
小津安二郎よりも黒沢明の方がはるかに好きだ。

それにしても「七人の侍」の素晴らしいこと。
特に、最後の雨中の戦闘場面は圧巻!!
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そこには今のCG映画の嘘っぽいところはどこにもなく
全てがリアル、本物志向で描かれている。
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続く、「用心棒」「椿三十郎」、
娯楽精神に徹している黒沢明が誠に素晴らしい。
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更には、このころの三船敏郎と仲代達矢の素晴らしさ、
三十郎に扮した三船の男っぽい格好の良さ、
対する、仲代の眼光鋭い悪役の迫力、
映画が大衆娯楽の頂点に君臨したころの勢いは流石。
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映画の心地よい興奮を「鴨鍋」を
福光屋の黒帯をチビチビやりながら楽しむ。
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低温でサーッとだし汁に浸した鴨肉の味わいの良さ、
クレソンの付け合せが絶品である。

鴨汁で年越し蕎麦、身体中が温まってきた。

2017年、この歳になると平穏無事に
健康で過ごせたことに感謝感激、
来年も同様に過ごせたら最高だ。

どうぞ皆様も良い年をお迎えください。 

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# by shige_keura | 2018-01-01 17:15 | その他 | Comments(0)
年末の憂鬱
年末のテレビ番組を見るたびに
魅力を感じる番組がないことに憂鬱になる。

民放は安っぽいお笑い、バラエティ、
そしてタレントの旅番組の、温泉と食事。
「美味しいーー、柔らかーい、甘いーー」の
大合唱が連日耳に入ってくる。

ならば、公共放送はと言えば
よほど、考える知恵がないのか、年末でお休みになったのか
総集編、再放送、自社番組宣伝
すなわちお手軽番組のオンパレードである。

12月30日を例にとろう。

朝5時15分から6時までの「大相撲1年」(再放送)に始まり、
07:20~08:20「小さな旅」(総集篇)
08:20~11:20「ひよっこ」(総集編)再放送
11:20~12:00「さし旅」(再放送)
13:05~18:00「女城主 直虎」(総集篇)
0:10~0:40  「パフューム×テクノロジー」(再放送)
0:40~    「紅白まであとわずか」

深夜0:40からはじまる「紅白まであとわずか」が
どこまで続くのか分からないので省くが
実に11時間10分の番組が「再放送」「総集編」に費やされている。

恐らく実態は、年末にふさわしい番組を新たに作るアイデアもないので
「あの番組の感動をもう一度」のキャッチフレーズの下
再放送、総集編を年末蔵出しもかくやと放映している。

しかし、番組当初から感動を受けていない私が
どうして再放送、総集編に魅力を感じるというのか。

なかには、「ひよっこ」のように
「総集編」の「再放送」と念の入ったものまである。

12月29日も詳しくは省くが
10時間30分が「再放送」と「総集篇」番組だ。

こんなものに付き合わされていては、たまったものではない。
が、しかし、「受信料」なるものを払う身としては
ひとこと、ふたこと文句も言いたくなるのが当たり前。

とはいえ、事態が急に変わるわけではなく
寒風の中、TSUTAYAに映像DVDを借りにく私がいる。

だから年末の度に公共放送のせいで
憂鬱な気分となるのである。

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# by shige_keura | 2017-12-30 14:01 | その他 | Comments(0)
憧れの頭巾
国立劇場12月公演は通し狂言、
「隅田春妓女容性」(すみだのはる げいしゃかたぎ)。
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サブタイトルに―御存梅の由兵衛ー(ごぞんじ うめのよしべい)とあるように
由兵衛がお家騒動にからむ悪事を暴く物語。

大阪に実在したと言われる人物を江戸の男伊達侠客とした芝居は
寛永8年(1763年)のお正月公演として
江戸桐座で沢村宗十郎主演で賑々しく始まった。

その後、大正から昭和にかけて初代中村吉右衛門の当たり役となり
8代目松本幸四郎に引き継がれ、今回当代、吉右衛門が挑んだ。
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今や70歳半ばに差しかかろうとする吉右衛門で体力的な懸念が持たれたが、
今回は国立劇場で久しぶりの熱演を見せてくれた。

お芝居の中で興味を持ったのが由兵衛が被る頭巾、
その名前を宗十郎頭巾というが、
この出現は江戸時代の初演に遡る。

このとき、梅の由兵衛を演じた沢村宗十郎が
男伊達を演出するために考案した頭巾と言われている。

この頭巾の特徴は「錣」(しころ)という名前の菱形の飾りが
頭巾御額の上に飾りとして貼り付けてあるため
当初は「錣頭巾」と呼ばれた。

その後、歌舞伎演目が大好評を博し
主役を演じた沢村宗十郎に因み「宗十郎頭巾」と言われるようになった。

江戸時代の末期は、武士の間でもこの頭巾は流行し
特に目立たぬように江戸の町を微行するときに用いられた。
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坂本龍馬と行動を共にした陸奥宗光も
宗十郎頭巾を被って市中を探索したと言われている。

しかし、私にとってのこの頭巾はなんといっても「鞍馬天狗」、
天狗のおじさんに扮した嵐寛寿郎のトレードマークとして親しんだものだ。

鞍馬天狗と言えば嵐寛十郎、
通称アラカンの当たり役中の当たり役。

アラカンの鞍馬天狗の登場は昭和2年の「角兵衛獅子」から
昭和31年まで、実に40本を数えている。
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恐らく、映画史上一人の俳優が扮したヒーローとしては
最多の登場になるのではないだろうか。

宗十郎頭巾の登場は昭和11年の
「ご存知鞍馬天狗 宗十郎頭巾」に始まるので
私が見始めた昭和20年代後半には
この頭巾なくして天狗のおじさんはあり得なかった。

当時の腕白小僧の遊びと言えば「チャンバラごっこ」、
自分も含めて多くの子供が風呂敷を覆面に見立てて
追いつ追われつの剣戟ごっこで我を忘れた。
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そのような、昔懐かしい遊びを思い出しながら
吉右衛門の宗十郎頭巾姿を楽しんだ。

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# by shige_keura | 2017-12-10 11:14 | | Comments(0)
芸術の秋・食欲の秋
秋はスポーツたけなわの季節であるとともに、
芸術、食欲の時でもある。

11月7日、ここの所めっきり少なくなった秋晴れの一日、
この日をおいて芸術を楽しみ、且つ、食欲を満たす日はない。

先ず向かった先は日比谷、TOHOシネマズ・シャンテで公開中の映画、
「女神の見えざる手」を観ることであった。
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オリジナルタイトルとなっている"MISS SLOANE"(ミス・スローン)は
本編の主人公、凄腕のロビイストである。

銃規制問題で揺れるアメリカ社会、
銃規制是か非か?

巧妙な戦術を駆使して政治を裏から操るクールで美しい
敏腕ロビイストを描いた社会派推理劇である。

「恋におちたシェークスピア」「マリーゴールドホテルで会いましょう」等、
寡作ながら傑作を世に送り続けるジョン・マッデン監督の腕の冴えを
十二分に楽しむことが出来た。

監督の期待に応えたのがミス・スローンを演じるジェシカ・チャスティン、
ハリウッドの百花繚乱ともいえる多彩な人材に目を見張らされた。
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精神安定剤を常用、相手陣営を陥れるためには信頼する部下の命まで危険にさらす、
時にはストレス解消のためにエスコートクラブの男とベッドを共にする。
遂には・・・・・・、ここから先は言わぬが花。

上司までもが「君は本当に厄介だ」と言わしめる女、スローン、
アメリカ社会ならば有りうることと納得しながら
上質の推理劇に気持ち良く翻弄された。


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# by shige_keura | 2017-11-10 09:53 | | Comments(0)
千姫と坂崎出羽守
小学校の頃だから、60年以上の大昔のことなのだが、
「千姫」というタイトルの映画を観た。

調べてみると本作品の公開が1954年であるので
私が10歳の時のことだと判明した。
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主役の千姫に扮した京マチ子の記憶はおぼろげなのだが、
その一方、槍を振るって姫を大阪城から救出する
勇猛果敢な坂崎出羽守(山形勲演)は良く覚えている。

何故、このような昔話を持ち出したのかというと、
国立劇場11月公演、「坂崎出羽守」を鑑賞したからだ。

今回の鑑賞は昔を思い出すだけでなく
新たなことを学んだことともなった。

それは、この演目の作者が「路傍の石」でおなじみの
文化勲章受章屋者の山本有三であり、
彼の生誕130年を記念して36年ぶりの上演となったことだ。

山本有三が「路傍の石」を出版したのが1937年なのだが
「坂崎出羽守」を完成させたのは、それより早い1921年、
名歌舞伎役者の六代目・尾上菊五郎のために書き下ろしたものだ。

その後、「坂崎出羽守」は菊五郎から、これまた名役者の二代目尾上松緑、
そして若くして世を去った初代・尾上辰之助を経て
36年ぶりに当代の四代目尾上松緑が演じている。

この作品の最も重要なところは
無骨者で直情な坂崎出羽守が千姫に対して芽生えた恋心と
姫を助け出したときに負った無残な火傷からの劣等感、
そして武士として受けた耐えがたい屈辱感、
それらの屈折した心理描写を細緻に表現するところにある。

それを、当代松緑は初役で
獅子奮迅の熱演で応えようとしているのは良く分かるが
まだまだ、祖父・二代目松緑と比較云々ではないと感じた。





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# by shige_keura | 2017-11-07 15:20 | | Comments(0)



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