越後湯沢から電車で約3時間
金沢到着の直前、 左手に卯辰山がその姿を表す。 その山すそにチラッと見えるマンションが その昔、6年間住んでいた我が家である。 1年ぶりの金沢旅行、 最大の目的は寒ブリ、香箱蟹をはじめとする 冬の食材を賞味する事にあった。 しかし、折角の機会だ、 師走の金沢の表情を見学するとしよう。 金沢の冬の風物詩、 そのひとつが”雪吊り”である。 市内の名だたる神社仏閣はもとより 一般市民の庭まで 冬の間は木々に 雪吊りが施される。 その中にあって、 最大級の規模と美しさの雪吊りを 鑑賞出来るのが兼六園である。 そもそも、雪吊りは 北陸の雪が湿って重たい所から考案された 木々の枝の防御策である。 即ち、湿った雪の重みで 松などの木の枝が折れる事を防ぐ工夫だ。 具体的には、木の幹にそって芯柱を立て、 そこから縄を張って木々の枝を強化するのである。 兼六園では毎年 11月1日から雪吊りの作業が始まる。 雪吊りの役目は 明年の3月15日まで その間、雪から木々を守ると共に 冬の風物詩として 人々の目を楽しませてくれる。 兼六園の作業は 熟練庭師5名の指示の下 約600名の作業員で取り掛かる。 雪吊りが施される木の本数、約800本、 ”りんご吊り”、”幹吊り”、”三叉縛り”等 木の大きさ、太さによって 様々な吊り方が工夫される。 12月7日、昼頃まで降っていた雪が上がり 午後には青空が覗いた夕刻 名園にてジックリと 雪吊りを堪能した。 特に、有名なのが”唐崎の松”、 この名木の雪吊りには 芯柱だけでも6本、 約800本もの縄が使われる。 そのスケールと美しさは 加賀百万石の奥深さを思わせるものだ。 最近は温暖化の影響で雪が少なく 雪吊りの効果が発揮されなくなってきた。 しかしながら、一般家庭でも 11月の半ばを過ぎれば 毎年、大枚をはたいて雪吊りに入る。 こんな所にも 金沢の人たちの 意地と誇りと文化程度の高さが見て取れる。
by shige_keura
| 2008-12-11 08:48
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