”トウがたつ”の意味は主にふたつ。
ひとつは、 野菜などの花茎が伸びて硬くなり 食べごろを過ぎること。 もうひとつは、 若い盛りの時期が過ぎること。 では、”トウ”を漢字で書ける人? 読める人は居ても 先ずは書けないだろう。 ”薹”、これが”とう”の漢字で 形が塔に似ていることから アブラナ、フキなどの花茎を意味する。 春は山菜の季節、 そのトップを切って出回るのが 蕗の薹(ふきのとう)である。 ここは山中湖周辺の某所、 時は3月下旬、 春真っ盛りの葉山とは違って 冬の名残が色濃く残っている。 富士のお山は山裾まで雪を被り 高原を渡る風は身に沁みる。 木々の新緑は見えず 黄色い水仙に 漸く春の気配を感じ取る事が出来る。 某所秘密地帯、 海抜1000メートルを超えた野原に 蕗の薹があちらこちらに芽生えていた。 中には”トウがたった”蕗の薹も見られるが 今まさに食べごろのものも アチコチに見出す事ができた。 「君がため春の野に出て若菜摘む 吾が衣手に雪はふりける」 これは小倉百人一首の代表的恋歌。 これが平成の狂歌となると次の通りだ。 「吾がため春の野にでる蕗の薹 夕は天麩羅 フキ味噌か」 と、言うわけで 以下は我が家の夕食を 春の香りで彩った 蕗の薹の料理です。 尚、この料理は自作ではなく 他作自食でございます。 先ずは天麩羅、 蕗の薹とサツマイモとカボチャ。 蕗味噌、刻んだ蕗の薹を 味噌に混ぜ込んだもの。 ふろふき大根、サトイモにつけてもよし 焚きたてのご飯に載せて食べるのも良しだ。 (右は近所の島根物産展で求めた”ハタハタ”のひと干し) 一風変わったところでは 溶けるチーズを蕗の薹にはさみ 周りに衣をつけて揚げる。 この一品は イタリア料理の”フィオリ・ディ・ズッカ”、 即ちズッキーニの花とチーズを揚げた品に ヒントを得たものだ。 (これは牡蠣とブロッコリ、ネギのグラタン) これにはやはり ドライな白ワインが欠かせないようだ。 野生の蕗の薹の風味! それは市販のものとは比べ物にならぬほど 春の萌え出づる香りで一杯だ。 ところで、どなたか ”タラの芽”、”山ウド”が取れる場所 こっそりと教えていただけないでしょうか?
by shige_keura
| 2009-04-03 09:14
| 食
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