人気ブログランキング | 話題のタグを見る
Top
思いでのプロ野球選手 21 (その3)
それは高田さんが巨人入団が決まり
明治大学卒業間近の出来事だ。

島岡監督にプロの心構えを聞いていた高田さん、
ふとコンタクトレンズを入れなおした。

それを見た監督が聞いた。

「おい、高田、
 おまえいつからコンタクトしてるんだ?」

島岡監督は
高田さんの返事を聞いて
腰を抜かさんばかりに驚いた。

「あ、これですか、
 入学の時からです」

自分の不利になる事は
例え自軍の監督にさえも
4年間に渡り秘密を守り通した。

そんなしたたかさを
高田さんは持っていた。

彼が巨人に入団して
今度は時の川上監督が困ってしまった。

新人なら誰でもが持っている隙が
高田さんにはまるで無いのだ。

何をやらせても水準をはるかに超える技量、
ボーンヘッド皆無の新人登場である。
思いでのプロ野球選手 21 (その3)_c0135543_941051.jpg

思い余った、川上監督、
参謀の牧野コーチに
何でもいいから
俺が叱れる材料を見つけて欲しいと
頼み込んだ。





そんな高田さんだから
新人で3割をマークし
新人王を獲得したのも当然である。

そればかりか
その年の日本シリーズで
最高殊勲選手に選ばれた。
思いでのプロ野球選手 21 (その3)_c0135543_855790.jpg

川上監督はこう評していた。

「高田は実にスマート、
 一匹狼と言うほどアクは強くないがマイペース、
 しかしながらチームプレーには忠実で
 誰からも嫌われない」

高田さんは群れなす事を嫌った人である。

だから、選手仲間と一緒に
遊びに行ったり
飲みに行く事は無かった。

こうなると、普通は変人扱いされるのだが
高田さんは仲間内からの受けも良かった。

               (長嶋巨人時代、ホームランを放ち軽やかにベースをまわる)
思いでのプロ野球選手 21 (その3)_c0135543_9423015.jpg

そして家では良きパパ役を演じていた。

ナイターで例え寝るのが遅くなっても
朝は早く起きて
子供を学校に送り届けた。

高田さんのレフトの守備同様
実に完璧なる父親だった。

その高田さんが
守備位置で緊張の余り
足が震える場面を迎えるのだが・・・

それは次回の最終回で、
by shige_keura | 2009-05-21 10:57 | スポーツ
<< 思いでのプロ野球選手 21 (... 思いでのプロ野球選手 -21-... >>



2007年9月末にこちらに引っ越してきました。
→過去のブログを見る


ホームページ 



LINK 


LINK FREE

このブログの写真・テキストの無断使用はお断りします。

(c) 2007 shige_keura. All rights reserved.