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思いでのプロ野球選手  -22- (4)
大下さんは心優しき人!!
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私がそう信じて疑わぬにいたった
ある事件をテレビで目撃した。

それは、ある年のオールスター戦
パ・リーグの常連として
打席に入った大下選手のファールが
3塁側で観戦していた
一人の子供に当ってしまった。

その瞬間、大下さんの顔はこわばり
バットを投げ捨てて
3塁側の打球が飛んだ地点に向って
全速力で走って行った。

一時が経過し、
事が重大ではなかったことを見届けた大下さんは
ホッとしたような笑顔を浮かべて
打席に戻っていった。





実際に大下さんは
大の子供好き。

夫人の話によれば
自宅を子供達に開放し
宿題の終わった児童に
親切に野球を教えていたと言う。

大下さんが子供に
人一倍心をかける理由?

漸く、その訳がわかったような気がする。

それは、彼の生い立ち
即ち、私生児として生まれたことと
深いつながりがあるのだろう。

母は元々東北の港町で
芸妓を勤め
神戸に出てきて
小料理屋を営んでいた。

そのとき、あるお客との間に生まれたのが
大下さんなのだ。

そして、その母も
一時期、一旗揚げようと
台湾の高雄に行ってしまう。

だから、大下さんの
幼少の頃、最も多感な時代
彼は両親の愛に飢えて育ったのだ。
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大下さんは1960年に
西鉄を去るに当って
平和台球場で引退試合が行われた。

しかし、これは大下さんにとって
九州での最後の試合ではなかった。

何故ならば、その数日後
大下さんの博多壮行試合との名目で
少年野球が行われた。

このとき、大下さんは
少年達全員の投手としての資質を見極める為
試合を通じて捕手の役を買って出たのである。

こういった優しさが
監督としての大下さんに
マイナスに左右したようだ。

だから、プロの指導者として
大下さんは残念ながら
殆ど成果を残していない。

そして、自分には不向きの
プロの世界から足を洗い
少年野球の指導者として
充実した毎日を送っていたのだが・・・

その最中に
まさに指導中脳血栓で倒れてしまう。

時に1978年、
大下さんいまだ55歳であった。

翌年、リハビリに取り組んだ大下さんだったが
心筋梗塞に見舞われ
不幸にして56歳の若さで
この世を去ってしまう。

彼の死は
睡眠薬による自殺とも言われているが
子供達に再び野球を教えることを
楽しみしていた大下さんが
自ら命を断つとは思えないのだ。

大下さんの院号には
”青打”の二文字が刻み込まれている。

意味は勿論
青空に向ってホームランを量産した
青バットのことである。
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人懐こい笑顔を絶やすことなく
今も尚、大下さんは天国で
子供達に野球を教えていることだろう。

参考資料、 「大下弘 虹の生涯」 辺見じゅん
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by shige_keura | 2009-06-18 06:27 | スポーツ | Comments(2)
Commented by enzou at 2009-06-18 21:39 x
大下さんのヒッチ打法?
スタン ミュージアル? だっけ 何か似ていたような?

西鉄時代は晩年ですよね。
若い時の大下さん見たかったな。
Commented by shige_keura at 2009-06-21 11:51
ebzouさん、コメント有難うございました。

ヒッチは理論的には悪いとされているようだ。ヒッチしない理想的な
フォームがジョー・ディマジオだって。でも、長嶋もヒッチだよね。

ミュージアルはヒッチしていたような記憶がありますね。"The Man”の
ミュージアル、静かなる男で大下さんとキャラクターが似ているようです。

西鉄時代の大下さんは周りの野武士軍団の中で逆の意味で
存在感があったような気がしています。
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