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遠藤平吉の家  -3-
”しかし、どうして利発な小林君が
 捕われたのか? 何故??”

付近を探索した明智小五郎、
その場所を見た途端
閃くものがあった。
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”ここだ!ここにちがいない!!”
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土と草で荒れ果てた一角、
そこには冒険好きの少年ならば
目を輝かすであろう
遊びの仕掛けが満載だ。
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夕闇の迫る公園、
不気味な静寂が漂っている。
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”ここにおびき寄せられ
 捕われたに違いない!
 おのれ二十面相め!!
 待ってろ小林君、
 助けに行くから”
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アジトに近寄る小五郎、
ふと気がつくと
ひとつの建物の内部に
いつの間にか明かりがともっている。
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”あそこだ、二十面相は!!”
まなじりを決して見上げる小五郎。
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そのとき、背後からの声に
我に返った。

「もしもし、そこのオジイサン、
 あなた、さっきから上を見ながら
 何をブツブツ言ってるんです??、
 なんだか怪しいネーー、
 それとも徘徊しているうちに道に迷ったの??」

”これはまずいぞ!
 怪人を捕らえるつもりが
 こっちが捕まりそうだ”

小五郎ならぬ老後郎、
早いところ退散、退散”





さて、住宅街のど真ん中に今もある双子の給水塔は
駒沢給水塔と名付けられている。
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「怪人二十面相」の原作者
江戸川乱歩氏は実際に
この建物をアジトのイメージとしたとのことだ。

駒沢給水塔の誕生は1923年、
全国の3,000箇所にある給水塔の中で
最初に造られたものだ。
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給水塔とは、
水道水を各家庭に送るときの中継点、
いわば給水場の一種である。

浄水場で綺麗になった水を受け取り
需要に応じて水を送り出すのが役目だが
高い位置に水を溜めてある為に
給水時にポンプの力を
余り使わなくても良い利点がある。

外壁に12本の付け柱があり
その先端には薄紫色の電球がついている。

塔の頂上はドーム
二基の塔が鉄橋で連結されている
世界でも珍しいデザインである。

関東大震災にもビクともしなかった堅牢さは
日本で鉄筋コンクリート建築が増えた
きっかけのひとつに数えられている。

残念ながら老朽化などの理由により
1999年に現役を退いたが
災害用の給水拠点として待機している。

現在、建て替えも検討されているが
このユニークな建造物は
このままの形で残してほしいものだ。

駒沢給水塔、
誕生初期は先端の照明から発する光が
近郊の渋谷、川崎まで届き
さながら陸の灯台の役目を果たしていたという。

「怪人二十面相」の思い出に浸りながら
建物の周りを散策するのも一興である。

いつの間にやら陽はとっぷりと暮れ、
煌々と照る満月を背景に、
突如、黒マントのシルエットが浮かび上がった。
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「明智君、さらばだ、又会おう!!」
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不気味な蝙蝠が
夜空に消えていった。
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参考資料、The Nikkei Magagine,Sep. 20
by shige_keura | 2009-11-06 08:42 | その他
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