昨日の雨の精なのだろうか 空気は殊更に澄んで気持ちが良い。 色づいた木の葉の間から 晩秋の陽が差し込む渓谷は さながら深山幽谷の風情。 とても都心の住宅地の一角とは思えない。 谷沢川にそって ゆるゆると歩を進めると ほどなく目に入ってくるのが ”不動の滝”。 二匹の龍の口から 清冽な清水がほとばしっている。 この湧き水は数千年もの間 枯れることなく流れ続け その水音が渓谷に響くことから ”とどろき”(等々力)の地名が生まれたと言う。 その昔は全国各地から 修行者を集めた滝だが 今はひっそりとした中で 湧き水だけは 昔と変わらぬ水音を響かせている。 不動の滝から 階段を上がると 等々力不動尊の本堂へと出る。 正式には”滝轟山明王院” ここにも滝の轟きが使われている。 今を去ること900年前 ”山には雲が涌き 谷には清き泉が湧き出る・・・・” 夢のお告げに出てきた景色を元に この地を開いたのが 等々力不動尊の由来だそうだ。 今でもこれだけの自然が残る等々力 その昔は人里離れた山奥だったのだろう。 人気の無さは今日も同じ、 境内には静寂が漂っている。 仰ぎ見れば銀杏の黄葉 下を見ればうずたかく積もった落ち葉、 晩秋から冬へと 確実に時は刻んでいる。
by shige_keura
| 2009-12-01 09:15
| 旅
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