3月20日から22日にかけて
上越の苗場スキー場に滞在した。 目的は孫のスキー姿を見るためである。 一足早く車で出た孫一家と合流したのは 上越新幹線、越後湯沢だった。 越後湯沢と言えば 川端康成の小説、「雪国」の舞台だ。 誰でもが覚えているであろう書き出しの文章、 ”国境の長いトンネルを抜けると雪国だった。 夜の底が白くなった。” 「雪国」という小説は読んだ覚えがあるものの 良かったのか、悪かったのか?? まるで覚えがない。 しかし、冒頭の二行、 これだけで雪国の光景が頭に浮かぶ、 けだし名文中の名文であろう。 陽が傾いてきた雪国の早春 仰ぎ見る山々には雪が残っているものの ビックリするぐらいの暖かさである。 苗場のスキー場、日中は20度にもなったと言う、 出発した東京は25度近く、 防寒対策を施した小生としては 大幅な見込み違い 蒸し暑くて仕方がない。 先ずは温泉に浸かり汗を流そう。 新潟名物、”笹団子”が湯気を立てて お客の気を引くのを横目で眺め 町の温泉、その名も”駒子の湯”に直行する。 駒子とは「雪国」の主人公、 島村、実は川端康成と因縁の仲の芸者だ。 そのネーミングが良かったのか ここの湯は越後湯沢でも人気抜群、 本日も圧倒的な集客を見せていた。 広間には1957年、豊田四郎監督による 「雪国」の撮影風景の写真が飾られていた。 配役は、島村役に池辺良、 駒子に岸恵子、葉子に八千草薫、 豪華絢爛の顔ぶれだ。 ひとっ風呂浴びれば 喉も渇くし腹も減る。 となれば、新潟名物”へぎ蕎麦”と 山菜の天麩羅を肴に麦酒としよう。 場所は昔なじみの”しんばし” 細身の奥さんが今も元気で 天麩羅を揚げていた。 (山菜と海老の天麩羅) (ボリュームたっぷり、舞茸の天麩羅) さー、それからは 孫二人を中心とした ”へぎ蕎麦争奪戦”が繰り広げられた。 舞茸を肴に 麦酒で喉を潤す暇も有らばこそ ”へぎ”に盛られた8人前の蕎麦が 見る見るうちに無くなっていく。 まさしく本日のチャンピオンは孫達だ。 もう少し、飲んで食べたい所だったが 苗場の山荘に赤ワインとチーズがあると聞き そさくさと席を立ったのである。 山荘に到着した頃は 夜の帳もすっかり下りて 向かいの苗場プリンスのゲレンデが ネオンに浮かんでいた。 ネオンの上には下弦の月がポッカリと、 明日は良い天気となるだろうか?
by shige_keura
| 2010-03-24 09:08
| 旅
|
| ||||||
ファン申請 |
||