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危険な任務  -2-
何故この私がバグダッドで
諜報員まがいの活動をしていたか?
その理由について説明しよう。

イラクで発見された膨大な石油埋蔵量、
この石油を梃子に
国が近代化を目指したことは言うまでもない。
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近代化を目指す道具となったひとつが自動車だ。

トラック、ジープ等の商業車、
タクシー、自家用車等の乗用車、
すべてのカテゴリーの自動車の発注権が
国管轄の自動車公団の手に握られていた。

その台数が半端ではなく、
ひとつの入札商談、2000-3000台の数だから
利権の渦巻く温床となったのは当然だ。

そこに登場したのが
当時、我々が名付けた”工作人”である。

彼等は政府要人との間の
太いコネクションを利用し
様々の情報を吸い上げて民間会社に提供し
その対価として報酬を得ていたのである。

民間会社としては
有能な工作人を見出せるかどうかが
商売の成否を占う鍵となっていたのだ。

某商社から紹介された工作人と
ベイルートで面通しを行った結果
彼を情報提供屋と定めた。

その決め手となったのが
彼の出身地、ティクリートだった。

この小さな町は
後の独裁者となるフセインの出身地、
多くの政府要人もここ出身が多い。

従って、工作人は
かなり深く政府に喰いこんでいると見たのだった。

その翌日、ベイルルートから
空路僅か1時間、
バグダッドの地に足を踏み入れた。




何も連絡がないまま
無為の3日間をボンヤリと過した。

「バグダッドの盗賊」でしか知らないこの地、
昔の煌びやかであったろう面影はまるで無い。
c0135543_17253471.jpg

貧困のなかに
新築工事の建物の多さが
石油発見を物語っていた。

バグダッドへ入って4日目
漸くホテルの電話が鳴って
彼からの連絡が入った。

その指示に従って、とある街角で
目の前に滑り込んできた車に乗り込んだのだった。

私一人乗せた車は
20-30分走り続けた後
郊外の別荘地のような場所に止まった。

珍しくも木々が鬱蒼とし目の前には池、
一軒の山荘以外の建物は認められず
夕闇の迫る中、静寂が辺りを支配していた。

不安が渦巻いていた事は確かだ。

そんなことは絶対に起こらないとは思いつつ
ここで消されたら、
「日本のビジネスマン、バグダッドで消息を絶つ」
この一行で終わりだ。

そんな想いがこみ上げてきた。

しーんとした建物に足を踏み入れ
ドアを開けて部屋に入っていった。

続きは明日、
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by shige_keura | 2010-05-14 09:48 | | Comments(0)
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