揚げ物は手掛けない、
家でやっても上手くいかないし 台所が汚れるだけだからだ。 その意味では 今日の料理は例外中の例外だ。 お手本は、例によっての NHK の”三人のシェフ”、 4月20日放映の「春の歓びの一品」からである。 紹介された三品の料理は スパゲッティボンゴレ、春巻き、 そして若竹煮であった。 アサリ(ボンゴレ)、モヤシ(春巻)、 タケノコ(若竹煮)はいずれも春を彩る食材だ。 中で、孫シェフ紹介の春巻きに 心が大きく動かされた。 春巻きならば具は予め熱を通しているし 揚げる技術は難しくない。 しかも、具材のシンプルな所が気に入った。 豚肉、ニラそしてモヤシだけである。 春巻きは子供の頃から 親しんできたが言葉の由来は今まで知らなかった。 春巻きの原点は 中国、東晋時代、AD300-400年に遡る。 この時代は立春の日に 粉で作った薄い餅を盆の真中に置き そこに季節の野菜を載せて 春をお祝いする食べものとして親しんだという。 それが春餅(シュンピン)と名前を変え 更に揚げる工夫を加えて 春巻きとなって今日に至っている。 そして、昔から中国で 春を告げる野菜の代表格がモヤシだったのだ。 モヤシと言うと安い野菜の最右翼、 食の主役を張るような大物ではない。 この機会にモヤシに主役を務めてもらおう。 結果から先に言うと 予想をはるかに上回る美味しさだった。 その、要因は主役のモヤシだ、 油を余り吸わないので しつこさが無く、モリモリと食べられた。 さて、この料理のポイントは三つ。 先ずは豚肉の大きさを モヤシの形状に合わせて切ることだ。 そのことで、食感が秀でたものとなる。 (今回は切る手間を最大限省く為に 生姜焼き用の肉を半解凍で使用した) 従って、豚肉を切りやすくする為に 予め半解凍の状態にしておいた方が良い。 次はモヤシを炒める前に 熱湯でサッと湯通しすることだ。 これによってモヤシの臭みがなくなる。 但し、モヤシ本来のシャキシャキ感が 失われぬように注意せねばならない。 最後は豚肉に下味をつけるとき 優しく優しくこねる事が肝要だ、 さもないと折角の形が崩れてしまう。 (下味は塩と紹興酒か酒のみ 水溶き片栗粉を若干加え粘り気を出す) (具を炒めているところ。中華鍋にサラダオイルを敷き 生姜と葱の刻み、豚肉を入れて炒め 紹興酒か酒で味付けし、モヤシを投入、 塩と醤油で味付けし溶き片栗粉を若干入れた後、 ニラをサッと炒め最後に胡麻油をひと垂らし) これさえ気を使っていれば 後は簡単、簡単。 (具を春巻きに巻き込む。小麦粉を水で溶き糊として使用) 最後の揚げる段階も 見事にクリアー!!!! あとはムール貝の中華風炒め、 セロリとトマトのサラダと共に味わおう。 麦酒でも良し、冷酒も良し、 紹興酒なら更に良し!! 春の歓び、食の楽しみ そして呑む極楽を十分に実感する宵であった。
by shige_keura
| 2010-04-30 09:47
| 食
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