その時も山々は緑に染まり
五月晴れの空を鯉のぼりが泳いでいたことだろう。 時は江戸時代、1812年 歌舞伎役者の中村歌右衛門は 金3両を払って初鰹を手に入れた。 金3両といえば現代では20万円以上 この上も無く高い買い物だ。 当時の鰹は庶民にとって高嶺の花、 だからこそ、「女房を質に入れても喰いてーな」。 今なら不埒旋盤と取られる言葉が横行していた。 更には鰹が高級魚の証しとしての川柳も 幾つか言い伝えられている。 ”目と耳はただだが口は銭が要り” ”俎板に小判一両初鰹” 時は移って現代、 鰹は渋谷のフードショー等で 1000円も出さずして簡単に手に入れられるようになった。 では、この季節、初鰹をタップリと賞味しているか?? そんなことは私の場合は無い。 鰹には独特の臭みがある。 「これがいいんだよ!」と言う人がいるが 私は若干苦手である。 鰹は身が柔らかい。 「そこが鰹らしくていいんだ!」と言う人があるが これも若干苦手である。 だから、安くても旬の季節でも わが家の食卓には、鰹は余り登場しない。 しかし、今晩は珍しくも鰹の登場、 いつもと違った魅力的なレシピに惹かれての登場だ。 レシピの名前は無く 無国籍料理と言ってよいだろう。 先ずは各種野菜を適当な大きさに切り揃える。 今晩用意した野菜は 水菜、貝割れ、クレソン、大葉、茗荷の品々だ。 次に、ここがポイントとなるのだが オリーブオイルをフライパンに敷き ニンニク・チップスを作る。 こんがりと狐色に化けるよう 弱火でジックリと仕上げる。 ニンニクを取り出したフライパンに 鰹を入れて焼き色をつける。 焼き色がついた鰹を取り出したら 水で絞ったキッチンペーパーで熱を冷ます。 あとは、野菜を敷き詰めた大皿に 鰹の切り身を並べニンニク・チップスを散らす。 オリーブオイル、胡麻油、醤油、酒のタレを用意し 掛けまわして完了!!! この料理には冷蔵庫で寝かせた冷酒が抜群である。 一切れつまむ、 旬の鰹と野菜のシャキシャキ感、 そしてニンニクチップスの香ばしさが効いている。 そこに冷えたやつを口に含むと まさにスッキリ、サッパリ!! 喉元爽やかである。 ベランダから見える木々は青葉、 ”目には青葉山ホトトギス・・・・・・”である。 この季節の宵の口、 断然気持ちが良い!!
by shige_keura
| 2010-05-05 09:20
| 食
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