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”つき”か”かばい”か??
相撲の決まり手、
昔は四十八手と言われていたが
今はその倍近く、82の決まり手が存在する。

決まり手とは、その名の通り、
勝負が決まった時の仕掛けた技のことだ。

ところが相撲の世界には
決まり手には数えられない
いわゆる”非技”で勝負がつくことがある。

勿論、非技で勝負が決まることは珍しいのだが
その珍しい非技、”つき手”が
夏場所の中日、8日目に起こった。

取り組みは猛虎浪と光龍。

立会いに猛虎浪が大きく左に変化し
突進した光龍はそのまま土俵を割ろうとした、
と、そのとき、どうしたわけか
猛虎浪がバランスを崩し土俵に手を付いてしまった。
”つき”か”かばい”か??_c0135543_8493439.jpg

勝った光龍は、
「何もしないのに勝っちゃった」と照れ笑い。

尚、つき手で勝負がついたのは
昨年の秋場所以来であるが
その時負けたのも猛虎浪、
どうにも足腰の弱い相撲取りである。



今回のつき手は
見た目はなんともだらしのない勝負となったが
ときには”つき手”か”かばい手”かで
大論争を呼ぶこともあったのだ。

”かばい手”とは、相手が死に体となったとき
危険を避ける為先に手をつくことであり
このばあいは”かばい手”をした力士の勝ちとなる。

”つき手”は負け
”かばい手”は勝ち
手をついた力士にとっては
それこそ天と地ほどにも差がある判定となる。
”つき”か”かばい”か??_c0135543_8525585.jpg

上の画像は1972年初場所8日目
当時横綱の北の冨士と初代貴乃花の一戦だ。

北の冨士が外掛けで浴びせ倒そうとするところ
貴乃花が脅威の粘り腰でこらえ
身体を左にひねりながら体を入れ替えようとした。

その直後、北の冨士の右手が先に土俵につき
立行司、木村庄之助の軍配は
”つき手”と見て貴乃花に上がった。

ここで検査役から物言いがつき
5分間の協議の結果
”かばい手”で北の冨士の勝ちとなった。

検査役は貴乃花の体を死に体と見たのだが
立行司の差し違えという珍しい結果となった。

翌日の新聞は議論沸騰
どちらかというと貴乃花有利の論調だった。

この写真を見る限り
体勢は確かに微妙、
このまま北の冨士が手をつかねば
彼の顔は土俵に激突したかもしれない。

このような歴史に残る一番を生んだのも
貴乃花の兄貴(初代若乃花)ゆずりの強靭な足腰の賜物である。

もしも猛虎浪が貴乃花の爪の垢でも煎じていれば
あのようなブザマな負け方はしなかったはずだ。
by shige_keura | 2010-05-18 09:00 | スポーツ
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