「私は芸術原理主義者、
すなわちタリバンです!」 国安孝昌さん、セミナー唯一のアーティストの第一声は 迫力に満ち溢れていた。 続く彼の言葉に耳を澄ませたが これが難しく凡人には理解し難かったが こんな事を述べたのではないだろうか? 「現代美術はもう終わってしまった。 すなわち普通、平凡なものとなった。 21世紀の美術と言うのは 現代美術の次のステップであるわけだから 現在のアートの枠を広げていく仕事となる。 ただ、枠を超えるということは 単に外に向うことではなく 一度中心に戻ってから 反対方向の外に飛び出すことでもある。 すなわち、一度は原点へ回帰せねばならない。 江戸時代の日本が大事にしていたものは 手を入れた自然である。 これは手付かずの自然の保護を意味している。 私はこれを目指したい。 具体的には自然の石と丸太を使って 自然に手を入れ保護することで 自然と共生を計って行きたい」 どうもこのような趣旨のようであったが 中身は当たり前の様でもあり えらく深遠のような気もしてくる。 国安氏自身が 「何を言っているか分らないでしょう」と 述べたとおり、会場には妙な空気が流れていた。 ただ、その空気は決して白けたものではなく 皆がそれぞれに考えをめぐらせているようであった。 それはさておき 彼の石と丸太を使ったアートから 途方も無い意志とエネルギーと 自己主張を感ずる。 それを嫌味に取る人もいるだろうし、 何でこんな事を・・と認めない人もいるだろう。 ただ興味深いのは 彼の作品は数年後自然の中に埋れ 風化してしまうことだ。 国安さんは”自然に手を入れ”保護することで 最終的には”自然に帰る”、 そこに彼の思いが入っているのかもしれない。 職業は異なっても 国安さんと隈さん、 その考えの根本は一脈相通じるものがある。
by shige_keura
| 2010-05-31 08:35
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