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「我が青春の女神たち」 -ジュリアンは何処に?ー
早熟の天才監督と言うならば
これはフランスのルイ・マルに止めを刺すだろう。

サスペンスの傑作、
「死刑台のエレベーター」を手がけたのが
弱冠25歳の時のことなのだから。

故淀川長治さんに言わせると
この作品はとても”中身がオマセ”となる。
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ルイ・マルは撮影が終了した時
トランペットの名手、マイルス・デビスを呼び
筋を明かさずにムード的な場面だけを映写し
彼に音をつけるように依頼した。

こうして、映画史上最高とも言える
モダンジャズと映像のマッチングが誕生した。

更に、音楽の効果だけではなく
”オマセ”監督の期待に応えたのが
成熟した女性の妖しいまでもの魅力を発散させた
ジャンヌ・モローである。

彼女は目玉がぎょろりと大きい上に
眼間距離も離れ、更に鋭い眼光、
私好みの女優には決してなりえない、
この「死刑台もエレベーター」を除いては。






映画は大会社社長婦人、フローランス(ジャンヌ・モロー)が
公衆電話で不倫相手のジュリアン(モーリス・ロネ好演)に
切々と愛の告白をしている所から始まる。
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大写しにされたジャンヌ・モローの口からは
短くとも強い愛の言葉の繰り返しと
妻としてあるまじき言葉が囁かれる。
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「愛してるわ、ジュリアン、
 私はあなたと一緒じゃなければ死んでしまうわ、
 だからお願いだから私の夫を殺して!」

映画導入部のジャンヌ・モローの妖しげな魅力
これだけで見ている方は”ゾクゾク”ときてしまう。

ジュリアンはフローランスに言われるままに
会社社長を殺害しエレベータに乗り込みビルを出ようとする。

ところが思わぬ事態が起こる。

ジュリアンが乗り込んだエレベータが
途中で停止してしまったのだ。

ビルの守衛が既に人が残っていないものとし、
エレベーターの電源を切ってしまったためだ。
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ジュリアンはフローランスと約束したカフェに行こうと躍起となるが
時間ばかりが無為に過ぎていく。

一方、カフェでジュリアンを待つのがフローランス、
パリの町には暗闇が迫ってくるが彼は来ない。

ついに彼女は夜の街をあてどもなくさまよい歩く。
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ここでバックに流れる乾いたトランペットの音色、
名手、マイルス・デビスが奏でる、「絶望のブルース」だ。
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黒白のシャープな映像に描かれる夜のパリ、
やがて小ぬか雨が舗道をを濡らし始める。
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焦燥にかられ虚ろな表情でさまようフローランス、
物憂げに流れるトランペットの音色。

映像と音楽がこれほど一体となって
絶妙な効果をあげた場面は他に知らない。

見覚えのあるジュリアンの車が走り過ぎて行く。

「ジュリアン!」車の中の男は??
疑惑、希望、絶望ないまぜたジャンヌ・モロー、
女の情念を見事に絞りだしている。

結果は、この犯罪は破綻し
女も男も逮捕され
再びフローランスのクローズアップと
言葉で映画は終わる。
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「これでいいのよ、
 私も刑を受けるし、ジュリアンも同じ、
 そして二人はいつか出てきて結ばれるのよ。
 愛してるわ、愛してます、ジュリアン!」
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早熟の天才、ルイ・マルによる
ジャンヌ・モローの為の映画
それが「死刑台のエレベーター」である。
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by shige_keura | 2010-10-29 08:35 | | Comments(0)
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