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波乱の6月 (心乱れて)
日赤病院、泌尿器科外来、
珍しくも全く待たされずに診察室に通された。

いつもなら”ラッキー”と思いたいのだが
この日ばかりは、待たされずに診てもらえるということは
それだけ深刻なのか、とかんぐってしまう。

泌尿器科の医師は血液検査の数値を見てうめいた。

「いやー、これは!!こんな数値が高い人は
 年間で3,4人ぐらいですよ。

 これは90%前立腺癌を覚悟せざるをえないね、
 勿論絶対に癌とは言えないが・・・・・・

 これからどうか?って言われても
 進行の程度によって違うからねーーー
 前立腺癌と言えども骨に転移していたら完治しないよね」

その結果、生体検査を行なうための
緊急検査入院(木ー土、2泊3日)と
癌を想定したCT検査が7月8日に予定された。






ルンルン気分で家を出たのが朝9時過ぎ、
わずか3時間後の私は打ちひしがれていた。

周りの景色が何も目に入らない、
歩く自分が自分で無いような変な気分だった。

「人生は何が起きるか分からないよなー」

ただ、ここで私の一縷の望みは
ホームドクターが当初行なった超音波テストだった。

テスト後、彼はこう言った。
「いや、なにも問題ないように思えるけどねー」

「しかし、あの医者、人は底抜けにいいけど
 名医とはとても思えないからなーー
 血液検査の方が正しいよなー

 やはり駄目か!90%だものな・・・・・・、
 だけどまてよ、9割と言う事は
 10人に一人は大丈夫だってことだ!

 でもなーーー」

心は千千に乱れた。

検査入院までの2.5日
私が主にやったことは書類の整理だった。

何事にも興味を持ってしまう私は
何かと新聞、雑誌等を切り取っておく癖がある。

いつもは整理整頓大の苦手のこの私が
珍しくも熱心に書類を片付けた。

この作業を行なった最大の理由は
とにかく気を紛らわせたかったことに他ならない。

何かしてないと
つまらぬことばかり思い浮かんでくるのだ。

こうして、アット言うまに木曜日
検査入院の日がやってきた。

続きは明日
by shige_keura | 2010-07-06 10:38 | その他
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