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タコの思い出
サッカー、ワールドカップ
思いもよらぬ海の生き物が人気を呼んでいる。

それはドイツ、オーバーハウゼンの水族館に
飼育されているタコの”パウル君”である。

準決勝まではドイツの勝利を予言、的中し
ドイツ国民の人気者(タコ)となっていた。

まさに「タコタコ上がれ!」であった。

ところが、準決勝のスペイン戦では
ドイツの敗北を予想し、その通りの結果となった。
タコの思い出_c0135543_924352.jpg

すべての結果を的中しているのだから
褒められて然るべきなのだが
今回ばかりはドイツ国民から非難殺到している。

「サメの水槽に入れてしまえ!」

「サラダ、パエリアにして食べてしまえ」

まー、手の平を返すような罵声、
これでは予想を的中させたタコも浮かばれまい。

ただ、ドイツの人たちの声を聞いて
”おや????”と思うことがあった。

サラダ?パエリア??
ドイツの人たちはタコを食べるのだろうかと?






私が欧州に住んでいた
1990年代の半ばまで
ドイツを含む主に北の欧州では
タコは食用としなかった。

頑固なドイツ人も
最近になって漸く蛸の美味しさが分ってきたのだろうか。

当時、イカ、タコが食べられる国
それはイタリア、スペイン、ギリシャぐらいだった。

それは1980年代の初頭
初めてシチリア島を訪れた時の事だった。

なんの変哲も無いレストランで
昼食に出てきたタコのサラダの旨かった事、
ヨーロッパでこんなに美味しいタコが食べられたのに
心底感激した覚えがある。

料理法はいかにも簡単、
タコのぶつ切りとセロリのざく切り
それにオリーブの実が入ったり入らなかったり。

そこに薄塩と胡椒で味付け、
オリーブオイルをかけまわし
レモンをギュッと絞って終わりである。

これが実に冷えた白ワインとの愛称が抜群なのだ。

ここのところ、渋谷のフードショーで
和蛸の良いのが並んでいる事が多い。
タコの思い出_c0135543_8585262.jpg

そこで、昔を懐かしむ為に
早速とシチリア風タコのサラダをやってみた。
タコの思い出_c0135543_8594063.jpg

口に含むとオリーブとレモンの味がしみこんだ
キュッとしたタコの食感がたまらない。

その味を更に盛り上げる重要な脇役が
シャキシャキとしたセロリ。
タコの思い出_c0135543_903218.jpg

タコとセロリの相性抜群である事をその時に知った。

目の前にはタワワに実ったレモンの木々は無い、
紺碧のイオニア海も広がっていない、
電線の向うに見慣れた都心の風景があるだけだ。
タコの思い出_c0135543_9113100.jpg

それでも、タコのサラダは
太陽に輝く実り多き美しき島
シチリアを存分に思い起こさせてくれた。
by shige_keura | 2010-07-10 09:06 |
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