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名監督はみな早熟?
「今まで見た映画で最も好きな作品は?」

この質問はかつての私には非常に難しかった。

それは質問を受けた時の年齢は言うに及ばず
その日の気分によっても異なったからだった。
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ある時は「第三の男」になってみたり、
「道」になったり、「友情ある説得」・・・・
「静かなる男」の時代もあった。
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しかしながら1989年以降
ベストワンは変わらぬ不動のものとなった。

それは、「ニュー・シネマ・パラダイス」
ジュセッペ・トルナトーレ監督
33歳実質的デビュー時の作品だ。
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彼は今でも元気で活動中だが
この作品を上回るものは出来ていない。

早熟の天才と言われた
フランスのルイ・マル監督が
傑作、「死刑台のエレベーター」を世に出したのが24歳、
以降、33歳の「鬼火」を頂点として
それを超える作品は世に出なかった。





一昔前は若干年齢が高かった。

ジョン・フォードが
西部劇の傑作、「駅馬車」を作ったとき、
黒澤明が「七人の侍」を世に送ったとき、
共に二人は44歳だった。

両巨匠は長きに渡って監督を続けるが
晩年の作品には無残なほど
輝きは薄れていた。

例えば、黒澤の「影武者」(70歳の時の作品)は
いかにも外国の賞狙いが見え見えで
面白い映画を作るといった
ストレートな心意気は何処にも感じられなかった。

さてさて、前置きが長くなってしまった。

私は二人の孫がいる。

上の孫は小学校2年生、
誰に似たのか大の映画好き、
これは?と思える大人向き作品も
身じろぎもせず飽きもせず画面に食い入っている。

一方、幼稚園年中組みの下の孫は
映画に関しては飽きっぽく
途中で席を立つ事が多い。
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ところがこの三枚の画像は
3分おきに撮ったものだ。
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上の孫はともかくも
下の孫も画面を凝視し集中している。
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画面には怪獣のようなものが見えるが
これは実は宇宙人、
作品は「ET」、スピルバーグ35歳の作品だ。
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「ET」の5年前、
スピルバーグはUFOを扱った傑作
「未知との遭遇」を世に出した。
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この作品からは
彼の子供が持つ純粋な心、
UFOを信じきった心で
娯楽作品を作る姿勢が伝わってきた。

それが更に進化したのが「ET」である。

地球に置き去りにされた宇宙人の子供、ET、
大人がETを研究対象として必死に探す中
一人、エリオット少年はETと心を通わせ
故郷の星に戻そうと躍起となる。
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エリオットの純粋な心に
一人又一人と同じ思いとなる人が増えていく。
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この作品でのスティーブン・スピルバーグは
澄んだ水のような純粋な心で
ファンタジーを創り上げていった。

邪念の無い映画作り、
だからこそ大人ばかりか子供までもが
「ET」に気持ちよくのめりこんでいけるのだ。

そのスピルバーグにして
40代後半から50歳かけての作品、
「シンドラーのリスト」、「プライベートライアン」では
アカデミー賞を意識するあまり
”あざとさ”が見え隠れする映画となってしまった。

芸術家、映画監督というもの
若き日の創造力、キラメキを保つのは至難の技、
だから引き際が難しくなってしまうのだ。
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by shige_keura | 2010-09-10 10:04 | | Comments(0)
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