大磯から相模湾に舟を出すと
暫くは水深50メートルほどの浅い海が続く。 それが、ある地点で急激に300メートルまで落ち込み 暫く進むと又、浅くなってくる。 超高級魚のアラは 急激に深くなる場所に集まってくるという。 ただ、ここ一帯のアラは形が小さく 千葉大原の外房漁師は、 相模湾の「小アラ釣り」と馬鹿にしている。 11月12日、朝8時過ぎ、 電話が鳴った。 受話器の向うから 弾むような従弟の声が流れてきた。 「釣れたよーー!! 5匹釣れた!!鍋、大丈夫だ」 1匹釣るのも至難の技のアラが5匹!!???? まさか小アラじゃあるまいな? 外房漁師の嘲り声が聞こえてくるようだ。 勇躍、駆けつけて驚いた!! こりゃたいしたものだ!! お見それいたしました。 台所の流しにはアラ様が2匹、 キラキラと光り輝いていた。 釣り舟の記録によると 大きさは28センチから41センチ、計5匹、 8月以降では最大にして最高の釣果である。 何しろ、夏以降、この舟で アラが釣れたのは、今回を含め2度しかない。 ここまでくると、今日の釣果は 釣り人の技術もさることながら 周囲の人々の強い願望のおかげなのだろう。 良かった!良かった!! 魚を捌いている途中 手をとめた従弟がこう言った。 「鍋だけじゃなくて 薄造りも食べるかい??」 「食べるかい??なんてものじゃないぜ!! アラの本当の美味しさは刺身で味わうものだ」 久しぶりの、この味!!! 醤油をつける必要なし、 チョッピリ山葵を載せて口に運ぶ。 コリコリとした歯ごたえ ほんのりと甘みが乗った肉の旨さったら!!!! 常温の純米吟醸との相性抜群だ。 さて、はじめて食す、「アラ鍋」。 こりゃ、どうじゃ!! フグ鍋なんか比較にならぬ 上品な味わい。 アラから出たエキスが野菜に染みとおり しばし、一同無言のままに箸と口を動かす。 あらかた食べ終わったあとのスープは 飴色に近い色、いかにも旨そうである。 こうなれば、勿論雑炊で締めねばならぬ。 鍋底には米一粒、スープ一滴、認められなくなった頃、 初めて会話が盛り上がってきた。 いやいや大変な旨さだった、 が、しかし、何か忘れ物をしているようだ。 なんだろう????? そうか!アラの鮨を食べてなかった。 次回までには従弟に握りの勉強をしてもらおう。 ご馳走様でした!!!
by shige_keura
| 2010-11-16 08:47
| 食
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