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初春浅草そぞろ歩き (地下鉄風情)
1月6日、満を持して浅草に出かけた。

この目で確認したいことがあったので
前々から出かけたかったのだが
正月三が日の浅草、
人混みを想像するだけで躊躇していた。

我が家から浅草までは
日本最古の地下鉄銀座線利用、
始発の渋谷から終着の浅草まで
40分弱、ゆっくりと座っていける。

この間の社内光景の移り変わりが
なかなかに興味深い。

渋谷で地下鉄に乗り込んだのが朝9時半、
銀座までは若い男女が乗客の主流だ。

ブランド物のコート、スーツ、
先が長く尖った靴を履き、
難しそうな顔をして日経を読んでいる。

メールを操る面々も多いが、
どの顔も、どことなく不機嫌そう、
覇気が無く疲れているようだ。

それは正月の休み明けの為だけではあるまい。

我々の時と違って
今や若い社員受難の時なのだろう。

我々の時代は”サラリーマン”、
仕事の質以前にお給料はほどほどに入ってきた。

私の入社した頃、
ただ腕を組んで座っているだけの
課長、部長が多く見かけられた。

たまに下を向いて何か読んでいる?

なーんだ、新聞かーー。

良き時代であった。

今や、”ビジネスマン”の時代、
とにかく、山のようなお仕事を、
至難のビジネスをこなさねばならない。

管理職となっても、喜んではいけない。

その裏には会社の残業代削減が見え見え、
実質的給料は管理職のほうが少ない場合もある。

しかも、部下無しの管理職も多い。

彼らは仕事を下に振り分ける事はできず、
率先垂範と言えば聞こえは良いが
自らが汗をかいてデスクワークをこなせねばならない。

会社の掲げる目標は
現実無視の右肩上がり。

それを「私は出来ません」とは言えぬ。

会社のトップは呪文のように唱える。

「競争に打ち勝とう!!
 収益が第一!!結果が全て」

これじゃ心身磨り減ってしまう。

表参道、赤坂見附、新橋、
多くのビジネスマンの乗降が続く。

「お疲れさん、無理しなさんな!
 身体壊しても会社は面倒みてくれんよ」





銀座から京橋、日本橋を過ぎて、
ふと気がつくと、社内の光景が一変している。

風体はともかくも
平均年齢が一挙に上がった。

中高年のグループのお喋りが聞こえてくる。

日経新聞を読んでいる人はいなくなり、
携帯電話を扱う人の数も減っている。

上野で二人連れが目の前に座った。

一人は70歳を廻った高齢者、
黒のブルゾンにベージュ色のスカーフを決めている。

年配に似あわず粋かとおもいきや、
頭には、NとYのマークの野球帽、
言わずと知れたニューヨーク・ヤンキースだ。

なんとも奇妙ないでたちであるが、
この人はきっと好い人に違いない。

だって、松井のファンに悪い人はいない・・・・

きっと次に逢うときは
真っ赤なエンジェルスの帽子を被っているだろう。

おじいちゃんの目はキラキラと輝き
高揚に満ち溢れている。

と言うのも、隣りの席に座っているのが
小学5,6年生の女の孫なのだ。

きっと、このお正月、
おじいちゃんが昔鳴らした浅草を
可愛い孫に案内する積もりだろう。

おじいちゃんにとって、
真価発揮の大チャンス、
今日張り切らずに何時張り切るんだという大切な日なのだ!

一生懸命、孫に向って話しかけている。

一方、孫のほうは若干迷惑そう、
それでも子供心に冷たくせぬよう
精一杯の相手をしているのが健気だ。

子供も賢く知恵がついている。

おじいちゃんのご機嫌を損ねぬよう、
傷つけぬよう、気を使っているのだ。

なかなか、微笑ましく、気持ち良い光景なのだが・・・・

チョイと待て!これは・・・・
眺めているこの爺と孫の関係瓜二つじゃないか!

終着の浅草だ。

おじいちゃん、いそいそと孫の手をつなぎ
雷門の方角に消えていった。

おじいちゃんにとって
今日が良き日でありますように。

さて、この爺は浅草の探訪だ!
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by shige_keura | 2011-01-14 08:57 | | Comments(0)
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