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築地、月島、佃島 -月は朧に白魚の・・・-
佃煮にする魚貝は様々あるが
中でも白魚は佃島の漁民にとって
最も大切な魚だった。
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何故なら、白魚は佃漁民の専業を許され
その御礼として毎年、徳川家に献上していたからだ。
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特に冬の夜、佃島沖には
多くの白魚舟が並び
煌々とした灯りが水面を照らしていたと言う。

さてさて、白魚といえば
歌舞伎の人気演目の中の
あの名科白に繫がっていく。

歌舞伎舞台での名科白、数々あれど
誰もが知ってる名調子が三つ。

ひとつは”白浪五人男”、
弁天小僧菊之助、もろ肌脱いでの
「知らざあ、言って聞かせやしょー、
 浜の真砂と五右衛門が
 歌に残せし盗人の・・・・・」

次が、これまた「白浪五人男」、
頭領格の日本駄衛門、番傘開いて、
「問われて名乗るもおこがましいがーー
 生まれは遠州浜松在 、十四の時から親に離れ、
 身の生業も白浪の・・・・・・」

いずれ劣らぬ名調子だが
上には上があるものだ。






それは御存知「三人吉三廓初買」、
大川端は庚申塚の場、
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お嬢吉三の名科白!!!
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「月も朧に白魚の  篝もかすむ春の空
 冷てえ風にほろ酔いの  心持よくうかうかと
 浮かれ鴉のただ一羽  ねぐらへ帰る川端で
 竿の雫が濡れ手で粟  思いがけなく手に入る百両
 ほんに今夜は節分か  西の海より川の中
 落ちた夜鷹は厄落とし 
 豆沢山に一文の  銭と違って金包み
 こいつは春から縁起がいいわえーー」
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最初の一行の文句に込められた季節感が素晴らしい。

「月も朧に白魚の  篝もかすむ春の空」

これだけで、冬から春への季節の移ろいが
実感として迫ってくる。

白魚漁の旬は冬、
いつもならば煌々と光る篝火が
岸からもきりっと澄んで見え
冬の寒さを際立たせている。
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しかし、今夜の篝火は何やらぼーっと霞んで見える、
ということは、もうすぐ春なんだなーー。
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名調子に乗せられ至極ご機嫌!

渡し舟ならぬ橋を渡って対岸の築地へ、
そこには海鳥のご一行が出迎えていた。
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「いやさ、海鳥、出迎えご苦労!!・・・・
 何!海鳥??鳥? 鶏??!!
 おーそうじゃ!ここは築地であるな!!!
 ならば、忘れてはならぬ!
 鶏の名店、宮川で、 今夜の鍋の具材でも
 仕入れるとするわいなーー!!」
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浮かれ鴉のただ一羽  ねぐらに帰る築地の岸で
海鳥見たのが吉兆と  思いがけなく手に入るチキン
ほんに今夜は鍋物か  ぬる燗飲ってほろ酔いに
こいつは春から縁起がええわいーー
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よー、成駒屋ーーー!!

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by shige_keura | 2011-02-19 13:21 | | Comments(0)
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