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”鬼”は何故”鼠”が好きなのか? -後編-
3月2日、鉛色の空が広がる中、
着流しに深編み笠とは真っ赤な偽り、
分厚いダウンジャケットに襟巻きをぐるりと巻き、
”いざ市中見回り!”、颯爽と???拙宅を出た。

               (池波正太郎さん描いた長谷川平蔵)
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目指すは”鼠小僧次郎吉”ではなく
麻布界隈と”鼠坂”見回りである。

結論から申し上げよう。

故池波氏が、何故幾たびも”鼠坂”を取り上げたか?
その確たる証拠はつかめなかった。

しかし、取るに足らないような
小さな細い坂道にこだわった気持ちが
なんとなく分る様な気がした。

そして、最も驚いたのは池波さんの”探究心”!!

氏にとって縁遠い山の手にもかかわらず
よくもここまで調べ上げたものである。






東京都内の坂の数、
名前がついている坂道が
最も多い区は文京区の126、
続いては、”鼠坂”のある港区の121と言う。

麻布十番(一の橋)の交差点を芝方面に向い
中華の名店、富麗華を左に折れると
急に道がごちゃついてくる。
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ここから狸穴のロシア大使館まで
小さな道、坂道が縦横に走り
麻布台へと繫がっている。

               (江戸時代の狸穴近辺)
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               (狸穴公園内の狸穴稲荷、狐と狸の化かし合いか??)
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長いだらだらとした登り勾配の坂が”狸穴坂”
”まみ”とは雌狸、むささび、或いはアナグマのことで
その昔には、この辺りに小動物の住処が沢山あったのだろう。
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”狸穴坂”の下から狭い別の道を歩く、
両側の民家がくっつきそうに迫ってくる。
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不意に、鬱蒼とした樹木が生い茂る林が頭上に見え、
目の前に”鼠坂”の標識が現れた。
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”狸穴坂”に比べ幅も長さも半分以下、
鼠も鼠、小鼠である。
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左手は樹木に覆われた高台
右手は急角度に谷に落ち込んでいる。
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真昼間と言えども人っ子一人通らない。
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鬼平の時代、
それこそ、いつ何時追いはぎ、
辻斬りが現れても不思議ではない。
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”鼠坂”の別名が”鼬坂”(いたち)、
剣呑な”鎌鼬”の刃が飛んでこないとも限らない。

それにしても、狸、鼠に鼬、
小動物のオンパレードだ。

”鼠坂”を上がると”植木坂”の下に出る、
その昔は何故か植木屋が多くこの地にあったそうだ。
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”植木坂”を登ると、そこは麻布台の高台。
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昔はこの一帯に牧野筑後守、戸澤上総守、
京極佐渡守、上杉駿河守、松平右近将監、等の
お屋敷が薄暗い立ち木の中に構えていた。
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その名残か、今でも立派なお屋敷が点在し
ブリジストン美術館の別館も
林の中にひっそりと佇んでいる。
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「なるほど、なるほど!!
 こんな場所があったんだ!!!」
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向うから、ステッキをつき
パイプをくゆらせながら
池波正太郎さんの洒落た姿が現れるのではないか?
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江戸の名残をそこはかとなく感ずる”鼠坂”界隈だった。

「ウサギよ、そろそろ十番に出て
 一杯飲りながら旨い蕎麦でもどうじゃ」

「ハーッ、それはお頭、
 堪りませんでございますな、
 先程からこの忠吾、腹が鳴って・・・・
 あ、いや、あのその・・・・・」」

「馬鹿者めが!!」
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by shige_keura | 2011-03-08 09:28 | | Comments(0)
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