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春の信濃路 -信州の味、その二-
10年ほど前のことだが
当時、九州に勤務していた娘婿に案内されて
九州の長崎、霧島、阿蘇、熊本と旅をしたことがあった。

それは、熊本での一夜、
何の変哲もない居酒屋風馬肉料理店、
そこで食べた馬肉の旨さは
店構えからは想像できぬものだった。

霜降り、赤身、脂身、様々な部位の肉を
刺身、串焼き、桜鍋、締めのお寿司、
バラエティに富んだ馬肉の美味しさは
そのときの旅のハイライトとひとつとなった。

しかしながら東京で食べる馬肉は
熊本のそれとは似て非ざるものとなってしまう。

例えば、馬肉の名店と謳われている、
森下町の”みの家”、浅草の”中江”、
不味くは無いのだが熊本の味を知った後では
特段、魅力を感じない一品となってしまうのだ。

その大きな理由は肉の臭みにある。

熊本の馬肉の味は勿論牛肉とは違った匂いがある、
が、しかしその臭いはいやなものではなく
食欲を増進させるものだ。

一方、東京の馬肉の味は
食べた時に肉の気になる匂いが鼻につく。

熊本と東京の馬肉の味の違いは
肉の新鮮さから来ているような気がする。

だからこそ、東京で食べる馬肉鍋、
通称”桜鍋”は匂いを消すために
味の濃い、”味噌仕立て”となっているのではないか。





日本で初めて馬肉を食べ始めたのが
戦国の武将、加藤清正が肥後の国を統治した時と言われている。

この話は、熊本と馬肉の結びつきを
強調させる為の架空の話との説もある。

ただ、当時より日本の限られた地方で
馬肉を貴重な蛋白源として
或いは医療用(熱さまし)として使われ始めた。

今回旅をした信州は
熊本、青森南部、福島会津とならび
古くから馬肉料理が盛んな土地として名高い。
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                (松本市の象徴、国宝、松本城)
松本市における馬肉料理屋の老舗、
明治32年創業の「新三よし」は
松本駅前の大通りを5分ほど歩いた場所に店を構えている。
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老舗だからと言って敷居は高くは無いが
店の前の雰囲気から馬肉一筋のこだわりが伝わってくる。
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午後6時、店に入ると
店内は早くも多くのお客の熱気に包まれている。

先ずは、野沢菜のワサビ漬と
ウド、ゼンマイ、ワラビ等の山菜の盛り合わせを
土地のヒヤ酒と共にやる。
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あとは、5種類の串焼きを賞味し、
当然、桜鍋をつつくこととした。

肉が運ばれてきた。
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「これはいいぞ!!、適度な霜降りだ!!!」

だし汁に霜降りの新鮮な馬肉をサッとくぐらせて
オロシをたっぷりとつけて味わう。
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桜鍋をオロシと共に食べるのは初めてだが
さっぱりとしてなかなか乙なものである。
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どうして、こうも東京の馬肉と味が違うのだろうか?

とにかく、肉の臭みはどこにも感ぜず旨い!!

普段は燗酒を好むのだが
ここの馬肉料理には何故か土地の冷酒がぴったりだ。
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その理由は何だかわからない。

お店はほぼ満員の盛況、
鍋とお客の熱気が入り混じっている。

馬肉はやはり地方で味わう料理なのだろうか。
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by shige_keura | 2011-05-20 22:16 | | Comments(0)
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