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雨のオークス、静かな湖畔 -前篇-
「昼過ぎから天気は下り坂に向かい、
 ところにより激しい雷雨となるでしょう」

天気予報がピタリと的中し、
今にも泣き出しそうな鉛色の空の下、
東名高速を御殿場に向かった。

5月22日、日曜日の午後2時過ぎ、
ラジオからは競馬中継が流れてきた。

「第72回オークスの馬体重の発表です、
 先ほどから東京競馬場は黒雲に覆われ、今にも降り出しそう、
 果たして1時間後のレースまで天候はもつでしょうか?」

府中は未だ落ちてきていないようだが、
大井松田からの山道にかかったあたりで、
ワイパーのスイッチを入れた。

御殿場インターは深い霧に包まれ
対向車のライトがボーっと霞んでいるなか、
籠坂峠を経て山中湖畔にコースを取る。

遠雷がかすかに耳に届く、
湖畔到着5分後にお馴染みのG1ファンファーレが
高らかにラジオから聞こえてきた。

「東京競馬場はもの凄い雨です、
 馬場発表はいまだ良ですが
 3年続きの雨中の女王決定戦となりました」

選ばれし美女たちの一生一度の晴れ姿、
青空の下で戦わせたかったものだが・・・・

振り袖姿、晴れの成人式に豪雨は酷と言うものだ。

18頭の若駒が雨に濡れて光るターフを蹴って
未知の距離、2400メートル先のゴールを目指し
第1コ-ナに殺到する場面が目に浮かんだ。

向こう正面流しまでは淡々と、
3コーナーの欅の木立が見える辺りで
アナウンサーの声も熱を帯びてきた。





「断然人気のマルセリーナは苦しい位置だ!
 馬群を割ってホエールキャプチャが伸びてきたが・・・
 あと100メートル・・・、両雄は届きそうにない・・・」
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勝ったのは伏兵、エリンコート!!

父親のデュランダルが典型的な短距離馬だけに
人気が無いのは当然だ。

血統論者をまさに嘲笑うかの勝利、
”これが競馬!”の見本みたいなレースだった。

単勝売り上げの7割以上を占めた2頭、
ホエールキャプチャとマルセリーナはそれぞれ3着と4着、
惨敗とは言えぬところに直前の雨無かりせばの想いが
両陣営にはあったに違いない。

雨一滴でも心乱されるのが繊細きわまりぬサラブレッド、
ましてや3歳のうら若き乙女達にとって
直前の雷雨は余りにも過酷な試練だった。

だからと言って勝者、エリンコートをけなすわけではなく
終始先行、好位置につけた堂々の横綱相撲だった。

彼女が先頭でゴ-ル板を通過した時
レース前、専門家のパドック解説が思いだされた。

「どの馬も流石にクラシックに向けて丹念に仕上げてきてますね」

この言葉から始まって各馬の状態を誉めたたえる解説が進む中で、
エリンコートの順番がきた。

「そーですね、この馬は前レースから体重を減らしてきてますね。
 出来れば、もう少しふっくらと見えないと・・・
 ちょっと期待するには難しいと思うのですがね・・」

これが競馬なのだ。

私が推理するエリンコートの勝因?
それは、直前の豪雨に決まってる。

何故なら彼女の名前はエリンコート、
名前に因み用意周到、レインコートを着てたのだから???

山中湖畔は雨が小降りとなってきた。
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静かな湖畔で鳥のサエズリを聞きながらリラックスしよう。
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「静かな湖畔の森の陰から・・・・・・」
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by shige_keura | 2011-05-25 08:27 | | Comments(0)
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