ハリウッドの大立者、ジョージ・ルーカスと
スティーブン・スピルバーグが組んだ作品が あの人気映画、「インディー・ジョーンズ」シリーズとなる。 全4作中、3作目の「最後の聖戦」も 大御所、ショーン・コネリーをインディの父に起用し アクションと同時に親子のユーモア溢れる絡みもあり面白かった。 しかしながら、第2作目の「魔宮の伝説」は 全編、ハラハラ・ドキドキ 手に汗握るスリルに溢れた作品として シリーズ最高傑作であることは間違いない。 全員神隠しにあった村の子供達と 不思議な力を持つ光る石を求めて インディー・ジョーンズはインドの秘境に入り 悪の一味と壮絶な戦いを繰り広げていく。 この作品以降、インディ・ジョーンズシリーズに 「ジェットコースタームービー」の異名が奉られることとなった。 それは、全体のストーリーが実に変化に富んで しかもジェット・コースター並みにスピーディであることと、 更には実際に、後半のハイライトの場面で 魔宮内でインディと敵のトロッコ(ジェットコースター)が 追いつ追われつのアクションを繰り広げたからだ。 今回の旅行でお遊びとしてのお楽しみのひとつが スロベニアに有る大洞窟で「魔宮の伝説」体験が出来る事だった。 スロベニアの首都、リュブリャナと イタリアの北東端、トリエステの間に広がるカルスト台地に 「魔宮の伝説」の鍾乳洞を持つ町、ポストイナがある。 スロベニアは他にもカルスト台地が広がり 8500以上の鍾乳洞があると言われているが ここ、ポストイナの洞窟は何百万年もの歳月をかけて形成された 全長21キロに及ぶ大鍾乳洞である。 規模的に欧州一であり、 洞窟内の美しさは世界一と言われている。 果たしてそんなに素晴らしい洞窟なのだろうか? いざいざ、地底トロッコに乗って 入口から徒歩ツアーの起点まで トンネルを2キロ、10分ほど走り抜けていく。 その間にも、右左にはライトアップされた鍾乳洞が あたかも正体不明の怪物のように浮かび上がっている。 徒歩起点からはガイドについて地底探検だ! 観光用の徒歩コースは1キロと限られているものの 長い歴史と大自然がもたらした不思議な景観を堪能できた。 巨大で多種多様な石柱は勿論、 スパゲッティと呼ばれている細く白い糸状の鍾乳石、 カーテンと言われる向こう側が透けて見える簾の様な石、 更には光線の加減でキラキラとダイアモンドの輝きを放つ その名前も”ブリリアント鍾乳石” 流石に世界一の名に恥じぬ美しさだった。 突然、ガイドが「電気を消して」と叫んだ。 一瞬にして真の闇の中に我々は置かれた、 鼻をつままれても分からぬ闇とはかくの如しだ。 いやはや、怖ろしい。 なかなか面白い体験とは言え 正直言ってあの大災害の後だけに 地底に潜ることは気が進まなかった。 ましてや、この地は歴史的に 繰り返し地震に見舞われた経験があるのだ。 コースの途中でガイドが指さす彼方を見ると 崩落したおびただしい土砂が目に入った。 「これは30年ほど前の大地震の被害です。 この地底でも怖ろしい事は起こらないとは限らないのです」 洞窟内の気温は8度、身体は冷えて来ている。 おいおい!早く出ようよ、 ”おてんとうさま”を拝みたいぜ。 地底の大ホールで誰かがオペラを歌っている。 素晴らしく澄んだ声なのだが 私はオペラよりも帰りのトロッコが待ち遠しかった。
by shige_keura
| 2011-06-27 08:32
| 旅
|
| ||||||
ファン申請 |
||