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山中日記 -高所恐怖症の血-
数々の傑作を世に送ったアルフレッド・ヒッチコックの作品中、
最も評価が高いのが「めまい」である。
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この映画の見ものは一人二役を演ずるキム・ノヴァクの
ミステリアスで官能派女優の魅力全開にあるところだ。
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彼女にかかっては、主役のジェームス・スチュアートの存在が
薄くなってしまうのも致し方ない所である。

この映画の題名、「めまい」が意味しているもののひとつが
主人公男性の持つ高所恐怖症という病である。

高所恐怖症、これが昂ずると病となってしまうが、
かくいう私も病とまではゆかぬが、かなりの高所恐怖症だ。

その片鱗が如何なく発揮されたのが小学校の1年生の頃のことだ。

場所は当時住んでいた逗子の家。

ある日近所で火事があり
家族全員が最も見通しの良い物干し台に上がった。

私も皆について上がったまでは良かったが
怖くて立てずに四つん這いになって
物干し台上をうごめいていた。

今でもその情景がはっきりと覚えているのだから、
その時の恐怖は相当なものだった筈だ。

さてさて、私の妻も相当な高所恐怖症、
厳密に言うと怖さを感じる場面が違うのだが
二人とも基本的に高い所が大の苦手である。

ならば、二人の娘もそうかというと、
全くその兆候は無い。

従って、彼女らが子供の頃、
高い所に行きたがるのを止めるのに苦労したものだった。

”高所恐怖症は遺伝しない”、
と、長い事思っていた矢先に
再び遺伝の血を考えざるを得ないことが生じた。

上の娘の二人の息子、即ち孫の兄の方が私に輪をかけた高所恐怖症、
それこそ螺旋階段を下りるのは決死の覚悟となる。

ところが、3歳下の弟は
高い所もなんのその、怖いもの知らずの典型だ。






ここは東名高速、富士の裾野出口から至近距離に有る「クレマチスの丘」、
この一角に二つの吊り橋が掛っている。
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吊り橋と言っても40人までの重さに耐える橋だから
作りは頑丈で余り揺れはしない。

しかし、たかが吊り橋、されど吊り橋、
幅は狭く下界の見通しは素晴らしく
下に流れる川までは20メートルを超す高さがある。

8月8日、わざわざ遠回りまでしたこの地を訪れた理由はただひとつ、
孫の肝試しと高所恐怖症の程度を測る為だった。

吊り橋というもの、急にその存在を現すことで恐怖感が一層募る。
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緑の野原で楽しく遊んでいた兄弟、
その目の前に不意に崖に架かる高い吊り橋が登場する。
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ひと目見た途端、兄は足が出なくなり、
一方、弟は兄を尻目にキャッキャと橋に向かって走り出す。
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置き去りにされた兄はそれこそ
おっかなびっくり腰は引けながらも何とか橋を渡りきる。
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しかし、この場所のいやらしいところは、
渡り終わるともうひとつ別の吊り橋が待ち構えている。
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ということは、帰りも合わせると
都合4回怖い思いをしなければならない。
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今日は総勢8名、賑やかさもあって高所恐怖症の孫もどうにか渡りきった。
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それを見た私は安どの胸をなでおろした。
何故なら恐怖の程度は「めまい」の主人公ほどの事はないからだ。
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しかしながら、当の本人は相当怖い思い、恐怖に駆られたことも事実である。
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何故ならば、当日の日記には次のように書かれていた。
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「今日はみんなで僕をいじめました。
 僕を置いてどんどん行ってしまいました。
 吊り橋を渡るときは気が遠くなりそうでした」。

彼にとっては一生忘れられぬ日となったに違いない。
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by shige_keura | 2011-08-13 09:53 | | Comments(0)
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