スイスの郷土料理と言えば
先ず、思い起こすのがチーズ・フォンデュである。 瀬戸物の鍋容器にニンニクを磨りこみ エメンタ-ルとグリエールチーズを入れて白ワインで溶かし、 トロトロになったところでパンに絡めて食べる。 まさにフランス語、Fondueの語源、「溶かす」、 チーズを溶かせて味わうものだ。 単純極まりない料理なのだが 特に寒いときは身体が温まってとても美味しい。 上の娘の孫二人の大好物が、このチーズ・フォンデュで ここ山荘の涼しい中で食べるのを楽しみにしている。 もともと、食欲旺盛な二人だが チーズ・フォンデュはまさにバトル、 大人たちにつけ入る隙は無い。 特に下の孫の場合 チーズ・フォンデュ以外のチーズは大嫌いで見向きもしない。 最も、チーズの味が濃いフォンデュ料理が好きで そのほかのチーズは全く受け付けない?? どう見ても理解しがたい事なのだが 8月8日、今日もまた目の前でチーズ大戦争が繰り広げられた。 目の前にうずたかく盛ってあった バゲットが見る見るうちに少なくなっていく。 溶けたチーズが口元に糸を引くのもななんのその、 ただただ、ひたすらに食べ続ける。 大人たちはただただ、放心してその様子を眺めるだけである。 さてさて、8月11日、 チーズ大戦争がオイルにまで拡大していった。 もともと、フォンデュと言えばチーズなのだが 時代と共にバリエーションが増してきた。 そのひとつが”オイル・フォンデュ”、 本場、スイスでは熱したオイルの中に 主に牛肉を入れて、数種類のソースで味わうものだ。 1980年代後半のスイス滞在中に この料理を覚えた我が家は、 牛肉だけでなく鶏、イカ、海老、キノコ、アスパラ等食材を増やし、 更に素揚げではなく日本の天ぷら、 或いはパン粉を付けた串揚げ風にアレンジして楽しんだ。 以来、この料理は我が家の定番として 娘たちにも引き継がれていったのだが ここまで、二人の孫たちは味わったことが無かった。 それは、目の前の火にかけた油鍋の存在が気になったからだ。 孫二人も聞き分け出来るような年齢に達し、 本日は見張り役も多い、 愈々彼等にとってオイル・フォンデュ解禁の日だ! 孫たちは目の前に盛られた 多種多様の食材に目を見張っている。 美味しいものを目の前にすると 目が輝くのは我が家の遺伝子なのだろうか。 鶏肉、ソーセージ、海老、 ジャガイモ、カボチャ、ブロッコリ、アスパラ、シイタケ、ピーマン等 チーズ・フォンデュとは比較にならぬ豊かな色彩だ。 大人たちの魂胆は孫たちを先に食べさせ そのあとで、ゆっくりと食事を楽しもうとのものだった。 ところが待てど暮らせど孫たちの色のスピードは落ちず、 いつ終わるか? その兆候は全く見えない。 業を煮やした我々も遂に食事に参加した。 これは、大人にとって誠に適切な行動だった。 何故なら、孫たちは我々大人の食事に 最後まで付き合ったからだ。 食事開始が夕闇せまる6時、 長い長い食事が終わりを告げたのが 漆黒の闇に包まれた9時半のことだった。 こりゃ孫たち、明日は寝不足だ。
by shige_keura
| 2011-08-17 10:29
| 旅
|
| ||||||
ファン申請 |
||