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光か?角か?
「ミケランジェロの暗号」、
興味をそそるタイトル、新聞評価も上々なので、
早速、日比谷シャンテに飛んで行った。

頃は、第二次大戦ナチズム跋扈のオーストリア。

400年前にヴァチカンから盗まれた
ミケランジェロの絵を巡って
ドイツ軍と画商の間で繰り広げられる
謎とサスペンスの物語だ。

物語はユダヤ人の画商の息子と、
息子の弟同然に育てられたアーリア系の男。

この二人がマーク・トゥエインの「王子と乞食」ばりに
立場が二転三転すり替わって話が進む。

面白く、飽きさせぬ展開ではあるが
最近見た「ゴーストライター」には及ばぬ出来だった。

不満な点は以下の二つ。

1.ユダヤ人とアーリア人が入れ替わる!!!
  この設定には無理があるだろう。
  何故なら、日本人なら騙せても
  欧州の人たちは 一目で見破ってしまうのではないだろうか。

2.ミケランジェロの絵の隠し場所が謎の目玉となるのだが、
  映画が半分過ぎた時点で
  私には隠し場所の見当はついた。
  小生の如きボンクラに見破られるような底の浅い謎は魅力が無い。






さて、今日の話は映画の事ではない。

映画の中の最重要小道具、
ミケランジェロの絵についてである。

映画に出てくる絵は、ミケランジェロの手による
旧約聖書で名高いモーゼのスケッチである。

モーゼと言えば、映画ファンにとっては
チャールトン・ヘストンがモーゼに扮した
「十戒」でお馴染みである。
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ただ、モーゼは旧約聖書の最重要人物であるので
昔から彫刻や絵の題材として使われてきた。

中でもローマにあるサン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会の
ミケランジェロ作、モーゼ像の彫刻が有名だ。

この作品は力感あふれ
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ミケランジェロの情熱がほとばしっているかのよう、
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サン・ピエトロ大寺院のピエタの繊細さと対照的な作品だ。

さて、このモーゼ像の頭を良く見てほしい。

何やら、角のようなものが生えている。
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一方、オランダのレンブラントの描くモーゼ、
頭に何かあるようだが角であるかどうか?
判然としない。
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ホリ・デ・リべ―ラのモーゼを見ると
頭から飛び出しているのは
角では無く光のように見える。
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アドリア海岸沿いのラベンナにある教会、
モザイク壁画で描かれたモーゼには角はなく、
頭の後ろには光輪が描かれている。
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何故、こんなことになってしまったのだろうか?

最も一般的に言われているのが誤訳説である。

その誤訳はヘブライ語の旧約聖書を
ウルガ-タ(標準ラテン語訳聖書)にしたとき起こった。

その部分を和訳するとこうなる。

「モーゼがシナイ山を下りてきたとき
 彼の頭には角があった」。

「角が生えた」のラテン語はComuto,
これには、確かにその通りの意味がある。

しかし、もともとこの言葉には
「光り輝く」との意味もあったのだ。

したがって、「モーゼは光り輝いていた」と
訳すべきであっと言う主張だ。

これに対すす反論もある。

もともとのヘブライ語の言葉は「カーラン」。

これは「光り輝く」の意味もあるが
「角が生える」という解釈もあり
モーゼの怒り、力を表すものとして
頭に角があるのは間違いではない。

更には、こんな説もある。

古代のユダヤ人が恐怖神であり角のある
「バール神」を信仰していた。

この「バール神」信仰が伝搬して
モーゼの頭に生えている角となったのだ。。

尚、バール神とは中東を中心に信仰されていた
「牛神バール」のことである。

一体全体、正解はどれだろう?

信仰の薄い小生の解釈で結ぼう。

「シナイ山を下りてきたモーゼは
 夕陽を背景に光輪で包まれた如く厳か、 
 総髪は逆巻きあたかも光の角の様だった」。

如何でしょうかね?
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by shige_keura | 2011-09-23 08:50 | | Comments(0)
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