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思い出の祖父、孫は皇帝
10月4日、かつて日本を代表した
1頭の名馬が死んだ。

名前はシンボリルドルフ、
30歳の大往生だった。

競馬史上4頭目の三冠馬、
そして初めて無敗のままで
3歳クラシック3冠制覇を成し遂げた馬だ。
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生涯15戦13勝、皐月賞、ダービー、菊花賞、
ジャパンカップに2度の有馬記念勝利、
皇帝ルドルフの前に並みいる競争馬はひれ伏した。

時の調教師、故野平祐二氏はこう語っていた。

「競馬には絶対はない!
 しかし、ルドルフには絶対がある!!」

しかしながら、私は残念なことに
ルドルフの全盛期を見ていない。

ただ、彼の活躍を数日遅れで到着した
日本の新聞で知るのみだった。

とはいえ、ルドルフの名前に接すると
必ずもう1頭の名馬を思い出す。

ルドルフにとっては祖父にあたる馬、
スピードシンボリこそ
私を競馬に誘った優雅なサラブレッドだった。





1966年の菊花賞、
私が生涯で初めて馬券を買ったレースだった。

競馬の部屋にノックをして入っていった、
その菊花賞にスピードシンボリが出ていた。

但し、シンボリは本命、対抗どころか
伏兵以下の存在でしかなかった。

従って、ビギナーの私としては
彼の存在はレース終了30秒前に知っただけであった。

私の買った馬券の中心に居たのがナスノコトブキ、
ダービー3着の実績、血統の良さを買われ
一番人気を集めていた。

騎手は、「助っ人」の異名をとる森安弘明、
170センチ、油断をすると60キロを超える体重
騎手としては規格外れに大きな男だった。

何故なら、騎手として新馬戦に騎乗するからには
体重は50キロを超えてはいけないからだ。


菊花賞当日、場所は京都、淀の競馬場、
騎手専用入り口から入ろうとした森安は
守衛に待ったをかけられた。

こんな大きな男が騎手で有る筈はないとの言いがかりだった。

さて、若駒にとって未知の距離、3000メートル、
満場がどよめいたのは、3コーナーの下り坂で
スルスルとナスノコトブキが先頭に躍り出た時だった。

何故ならば、淀の3コーナーの下りでのスパートは鬼門、
即ち、あとに待ち構える勝負どころの4コーナーで、
制御出来ず、外に膨れる危険がある為だった。

誰もが4コーナーで大きく膨れる
ナスノコトブキの姿を脳裏に描いた。

ここが、「助っ人」であり「名人」でもあり
「重賞男」、数々の異名をとる、森安の真骨頂!!

「助っ人」の巧みな手綱さばきに操られた栗毛のコトブキは
スピードを落とさず滑らかにコーナーを回り、
後続に大差をつけてゴールを目指した。

観客はじめ誰もが栗毛の馬の快勝を思い浮かべた。

ところが、森安以外の騎手誰もが絶望的な気分となったとき、
たった一人、ただ一頭勝負を諦めていない馬が居た。
 
ゴールまで200メートル、
馬群を割って出た流麗な黒鹿毛の馬が、
猛然とナスノコトブキを追い詰めていった。

美しい黒鹿毛、スピードシンボリ!
風が巻き起こり、黄いばんだ芝が宙を宙を舞う!!
 
逃げ粘ったか? 差し切ったか??
栗毛と黒鹿毛、2頭の馬が重なるようにゴール板を通過した。

長い長い写真判定の結果は
ナスノコトブキの鼻差の勝利だった。
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菊花賞、鼻差の2着、
ここからスピードシンボリの歴史の幕が開いた。

騎手は名人と、もてはやされた野平祐二、
洒落紳士とエレガントなサラブレッド
これ以上ないと思わせた名コンビだった。

このコンビは2年連続有馬記念を制覇して引退した。
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引退式の手綱を取ったのは勿論、野平祐二、
このときは、まさか自分がシンボリルドルフの調教師となって
同じ、有馬記念2年連続制覇するとは夢にも思っていなかった。

10月4日、シンボリルドルフの死の報に接し
耳元にはあのときの実況中継が聞こえてきた。

「さー、ナスノコトブキ、栄冠はすぐそこだ・・・・・、
 おーーッ! 1頭馬群から飛び出てきたぞー!
 凄い脚、なんだこの黒鹿毛の馬は・・・・・・
 スピードシンボリ、スピードシンボリ・・・・
 コトブキか?シンボリか? シンボリか?コトブキか?
 さーどっちだ!!!」
 
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by shige_keura | 2011-10-12 09:44 | スポーツ | Comments(0)
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