Top
歓びの日、ヒーローの誕生 -3-
戦後直後のプロ野球のクリーンアップトリオは
川上であり藤村であり大下になる。
               (左、赤バットの川上と青バットの大下)
c0135543_1862440.jpg

川上の赤バット、藤村の物干しざお、
大下の青バットから放たれる打球に
観客は狂喜乱舞した。
               (物干し竿バット、藤村富美男)
c0135543_187311.jpg

芝居は主役だけでは成り立たぬ、
それは野球も同じ。

打者の名脇役が「猛牛」、千葉であり、
               (猛牛、千葉茂)
c0135543_188571.jpg

               (阪急時代のじゃじゃ馬、青田昇)
c0135543_1884140.jpg

「じゃじゃ馬」青田であり、「神主」岩本であり、
               (神主打法、岩本義行)
c0135543_2272689.jpg

「親分」鶴岡に加えて小鶴、飯島、別当、土井垣等々、
               (左から、別当、若林、藤村)
c0135543_2284597.jpg

なんと個性豊かなプレーヤーが光り輝いていたことか!
               (左、小鶴誠に戸倉勝城)              
c0135543_18102149.jpg

投手にしても、若林、別所、杉下はじめ
誇り高いお山の大将が君臨していた。
               (別所毅彦)
c0135543_22101140.jpg

それに引き換え、今の球界、
特にセリーグの個性の無さは救いようがない。

名前だけニックネームを付けても
中身が変わらねば張り子の虎だ。

話を打の主役三人に戻そう。





藤村、川上、大下、
熱狂的巨人ファンだった私にとって
川上は憧れのヒーロー、頼れる男、
藤村、大下は憎っくき敵の男だった。

しかし、今になってこの三人を想うと、
川上より藤村、藤村より大下の方に
人間としての魅力を感じるのである。

それは、子供の時には見落としていた
人間の裏に隠された素顔を嗅ぎつけたからだ。

謹厳実直、野球道を究める裏に潜む
川上の利己主義的な傲岸な心。

天衣無縫、ショーマンシップに徹することで
己の繊細で脆い心を隠してきた藤村。

遊蕩三昧、茶屋から球場に直行の噂?
実は子供の様に純真で汚れなき心を持った大下。

或る人が川上、大下をこう評していた。

川上は農耕型、堅実な生活人、例えれば、ル-・ゲーリック
大下は流浪型、心優しい遊蕩児、例えれば、ベーブ・ルース
               (左、ゲーリック、右、ベーブ・ルース)
c0135543_18124667.jpg

言い得て妙なのだが、藤村を私なりに付け加えると
一箇所だけ別な意見となる。

藤村は一匹狼型、お茶目な暴れん坊、例えれば、ベーブ・ルース。

そして、大下弘を例えて言うならば
メジャー最後の4割打者、ハンサムボーイにして、
シャイな心を持ったテッド・ウイリアムスとなる。
c0135543_18135173.jpg

大下弘、勝負に生きるプロ野球人としては
余りにも優しく、そして他人への細やかな思いやりを持っていた。

彼が当時の東急フライヤーズから
九州の西鉄ライオンズへの移籍事件は
満天下を騒がし、大下の心はかき乱された。

その時の心境を綴った大下の言葉がある。

「西鉄への移籍、球界を騒がす罪軽からず、
 東京を棄て九州の一角に立てこもる決意、
 まこと、新生への第一歩なり」

次に、泣かせる彼の言葉を紹介する。

「歳移りゆけど変わらざるは童心、
 中学に高校に、はたまた大学に子供進みて消え去るはなし
 そは心と心の繋がり、
 子供、後世に偉人、英雄なりても
 心の片隅に ”吾等幼年の頃、大下弘という選手ありき”と、
 想い浮かべてくれるものと信ず。
 短かりし交わりなれど」
c0135543_18144797.jpg

大下が現役を引退し九州を去るに当たって
少年野球チームと交流試合を行った。

彼自ら進んで捕手を務め、
子供達の放るボールを受け取った。

両者にとって心温まる試合後、
大下の書きとめた言葉である。

大下の記したとおり、
今や老人となった、かつての野球少年たちは
まるで昨日のように、
憧れのヒーローと共に過ごした至福の一時を
決して忘れる事はない筈だ。

1979年5月23日、大下弘、永眠、享年56歳。

青空に向かって描かれた美しい放物線、
高々と舞い上がるホームラン、
その白球に乗って永遠の旅に出た。

最後に、名将、知将と呼ばれた
三原脩の言葉で締めくくりとしたい。
c0135543_18154087.jpg

「日本のプロ野球、打撃人を5人挙げるとすれば
 川上、大下、中西、長嶋、王、
 3人に絞るとすれば、大下、中西、長嶋、
 そして、たったひとりを選ぶとなれば、
 それは大下弘をおいていない!」
[PR]
by shige_keura | 2011-11-25 09:19 | スポーツ | Comments(0)
<< 異端児逝く 歓びの日、ヒーローの誕生 -2- >>



2007年9月末にこちらに引っ越してきました。
→過去のブログを見る


ホームページ 



LINK 

カテゴリ
全体



スポーツ
その他
LINK
トリップアドバイザーにお勧めブログとして認定されました。金沢 ホテル
旅行口コミ情報
最新のコメント
↑恥ずかしいからそういう..
by Hiraoka at 17:45
試合はブチ切れるし、判定..
by shige_keura at 09:36
コメント有難うございまし..
by shige_keura at 18:00
全話をチェックした訳では..
by 通りすがり at 16:23
思い出しました!!! ..
by aosta at 13:46
以前の記事
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
more...
検索
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

LINK FREE

このブログの写真・テキストの無断使用はお断りします。

(c) 2007 shige_keura. All rights reserved.