ブイヤベースとは、もとをただせば
南仏の漁師町、マルセイユの田舎料理が発端だ。 即ち、売れ残った魚介類を 漁師たちが大鍋で煮込んだもの。 新鮮な魚が沢山入っているので 不味かろう訳が無い。 日本でも、この手の郷土料理は 昔から存在していた筈であり、 違いは和風か洋風かの味付けにある。 特に、ブイヤベースは サフランの霊験あらたか、 スープが黄色みがかった濃縮極まりぬ味となる。 その昔、マルセイユで飛び込みで入った店の ブイヤベースのスープが美味しかったこと!! 白いご飯の上にかけて食べたら さぞやさぞ、美味しいだろうな、と思ったものだった。 ここは、青山霊園の向かいにある フランス料理店、「シェ・ピエール」。 ここの御主人はブリタ-ニュ出身だけに、 肉料理も美味しいが海鮮ものが売りであり、 中でも、ブイヤベースは絶品! まろやかで、濃厚な味、 おまけに味を2回楽しめるように 特製のソースがついてくる いちょうの葉っぱも舞い散る12月中旬、 2年ぶりで、この店のブイヤベースを楽しみにやってきた。 フランスのビストロを思わせる飾らぬ店内、 柔らかな日差しが降り注ぐ窓際の席、 居心地はすこぶる良い。 テーブルの上には、前と変わらず フランス郷土料理の数々を紹介してある ランチョン・マットが敷いてある。 ラングドック地方の肉煮込み鍋、「カスレ」、 アルザス地方の「シュ-クル―ト」、 ノルマンディの血のソーセージ、「ブダン」、 そして、南仏には勿論、「ブイヤベース」である。 先ず最初は季節的に生ガキをやらねばならぬ。 カキは基本的にはフライが一番と思うのだが 季節に一回は生を味わうべきだろう。 的矢から店直送のカキに レモンをたっぷりと絞る。 口に含んだ途端に磯の香りが広がって 白ワインとの相性はバッチリだ。 その次は、オーナーお勧めの 各種キノコのソテ-とホワイト・アスパラガスのサラダ。 そして、いよいよ待ちかねたブイヤベースの登場! 濃厚なスープの中に 新鮮なオマール海老、アサリ、 ホタテ、イカがたっぷりと入っている。 先ずは、魚介のだしの旨みが凝縮されたスープを味わい、 途中からは秘伝のソース(ニンニク、オリーブ、卵等)を加え、 二種のスープを楽しむ。 ハーフ・ポーションにしてこのボリューム、 良心的なこと、嬉しい限りだ。 甘いチョコレート系のデザートと 苦いエスプレッソをいつものごとく〆として、 腹は一杯、満足も一杯。 料理とワインで火照った顔に 北風が気持ちが良い。 今日は晩飯は抜きだ!! と、この時だけは思って店を後にした。
by shige_keura
| 2011-12-20 21:12
| 食
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