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より高く、より遠く、壁を超えた男たち (不思議な長距離砲・後篇)
荒川さんの指導による王さんの練習、
それはピーンと空気が張り詰めた厳しさが
部屋いっぱい充満してと言う。

同僚の、広岡さん、藤田さん、
そして同じ長距離砲の野村さん、
その練習に立ち会った人たちは誰しもが同じ言葉を吐く。
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「最初は気楽な気持ちで見ようと思っていたのですが、 
 シーンとした中で、空気を切り裂くバットの音だけが・・・・・、
 正座に座りなおして厳粛な気持ちとなりましたね」

「あれだけの練習を積んだ人は見た事が無い」

誰もが驚く、血と汗がにじむ厳しい鍛練の末に
”フラミンゴの舞い”、一本足打法が生まれた。

恩師、荒川さんの指導、
煎じつめればこう言うことだ。

打ちにいく直前、身体の貯めを作ること、
そこから、振り遅れぬようにバットを一直線に振り抜くこと。

しかし、バットスピードの速く無い者が
身体の貯めを作ったら、更に振り遅れるじゃないか?

この矛盾を回避しようと開発されたのが”一本足打法”だ。

しかし、このとき一本足に隠れて目立たないが
もうひとつ、考え抜いて実行したことがあるのではないか?

このことについて指摘した人を知らないし
世間で話題となったことも無い。

すべては、この爺の推測である。





王さんと日本球界で名うての本塁打王の
比較画像を載せてみよう。
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どこが違うか?  分かりますか??
               (松井秀喜)
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違うでしょう! バットの握り、グリップエンドが!!
               (中西太)
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王さんだけが、一握りバットのグリップエンドを余している。
               (野村克也)
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あたかも、長嶋さんのような中距離打者のバットの握りだ。
               (長嶋茂雄)
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               (田淵幸一)
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古くは怪童、中西太、野村克也、田淵幸一、落合博満、
松井秀喜、、中村剛也、等、グリップを余すどころか
小指をグリップエンドからはみ出すように握っている。

勿論、強力助っ人、バース、ローズも同じこと。
               (落合博満)
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               (中村剛也)
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球を遠くに飛ばすには、ゴルフも同じように、
短い道具より長い道具の方が優っているのは物の動理だ。
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勿論、使いこなせればの話となるが。
               (ランディ・バース)
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王さんの一握り短く持ったグリップ。

それは、自分のバットのヘッドスピードを十分に把握し、
プロの速球に振り負けまいとする熟慮の結果、
短くバットを持つことが誕生したものではないだろうか?
               (タフィ-・ローズ)
より高く、より遠く、壁を超えた男たち (不思議な長距離砲・後篇)_c0135543_9134637.jpg

それならば、短めのバットを
グリップエンド一杯まで持てばいいじゃないか?
               (松井秀喜)
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それは違うんだな、きっと。
               (中村剛也)
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王さんの考えはこう思う。

自分の持つバットの長さは一定、
但し、グリップエンドの握りを、その時々の調子に合わせ、
コンマ・ミリ単位で調整することで理想の打撃を具現化したのだろう。

すなわち、一握り短く持つと言っても
それは、その日の調子によって微妙に変えていた。

たかが一握り、されど一握り、
コンマミリの世界の話なのだ。
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いずれにせよ、「世界のホームラン王」、王貞治さんは
一握り短くバットを持って、
より高く、より遠くへ白球を飛ばしていた。

ちょっと面白い話だと自画自賛している。
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野球と言うものは突き詰めて行けば行くほど
どんどん奥が深くなるものである。
by shige_keura | 2012-01-21 09:25 | スポーツ
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