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梅見ならぬ雪見
4年に1回巡ってくる2月29日、
朝から時ならぬ雪に見舞われた。

こんな日に限って池上本門寺に行かねばならぬ。

2,3日前までは、丁度良い機会と
池上梅園を覗く予定であったが・・・・

テレビが降雪情報を絶え間なく伝える中
外の景色は見る間に白一色と変わっていった。

「これは、梅見どころではないぞ!」

慌ててしまいこんであった秘蔵のブーツを引っ張り出す。
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なにしろ、このブーツは1978年、欧州出張時、
フィンランドは北極圏近くのロバニエミで買ったものだ。

極寒の国のものであるだけに
30年以上経った今でも履き心地は上々、
滑らないし、水が沁み込むことも無い。

荒天時の心強い味方である。

本門寺正面にそびえる96段の急な階段は
戦国武将として有名であるとともに
篤い法華経信者である加藤清正の寄進と言われている。
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雪の日の本門寺と言えば
思いだすのは「鬼平犯科帳」の一篇、
「本門寺暮雪」である。
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この物語はシリーズ中、
異色の一篇として心に留まっている。

江戸の下町を主な活躍場とする鬼平が
このお寺まで出張るのは珍しいことである。

当時の鬼平の役宅清水門外から見れば
池上本門寺は田舎も田舎なのだ。

従って、役宅を出る時も馬上の人となり、
途中で目黒の日本榎での一泊も含め
二日がかりの道中となる。

途中、凶剣の使い手(”凄い奴”、原文のまま)の登場で
物語は緊迫の度を加え、大詰めの池上本門寺を迎える。

”凄い奴”に急階段で待ち伏せされた平蔵は
大刀を抜く間も有らばこそ
「もはや、これまで」、
絶体絶命の窮地に陥る。

この窮地を救ったのが
シリーズでは異例なことに
一匹の可愛い柴犬なのである。

先刻の茶店で平蔵に煎餅を貰った柴犬が
”凄い奴”の足に噛みついたことによって
形勢は逆転していく。

池波正太郎さんの結びの文章がこれだ。

 柴犬を両腕に抱きしめ、頬をすり寄せつつ、
 犬に向かってこう言った。
 「これ、わしの子になるか。
  江戸へ、いっしょに行こう。
  お前を茶店の親父から、もらいうけるぞ」
 雪は霏々としてふりつづいている。
 明日はつもるやもしれぬ。

動物が好きな著者の優しい心根が窺われる。

この文章に書かれているように
当時の本門寺は江戸ではなかった。
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往時の面影がかすかに残る今日、
本門寺の象徴、五重塔も降り続く雪にけむっている。
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明日は3月と言うのに
この分だと積もるかもしれない。
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by shige_keura | 2012-03-01 09:12 | | Comments(0)
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