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古都、春爛漫  -常備薬の父-
今も昔も、どの家庭にも顔なじみの常備薬がある。

子供の頃、我が家の常備薬、
ビオフェルミンには良くお世話になったし、
その味は嫌いでは無かった。

一方、鼻をつく嫌な匂いの薬がクレオソート、
如何にも不味そうな黒い色が不気味だった。

不思議だったのは、父が美味いと言って
ポリポリ噛んで食べていた「わかもと」
後に「エビオス」になっても
私にとっては酷い味の薬だった。

怪我をした時に出てくるのが
赤チンかヨードチンキ、
酷くしみるヨードチンキが出てくると
思わず身を引いたものだった。

軽い切り傷、肌の荒れに決まって登場したのが
可愛い看護婦のマーク(リトルナース)でお馴染みの
メンソレ-タム、通称メンソレだった。

御同輩の方々でメンソレのお世話にならなかった人は居ないに違いない。
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それほど、リトルナースは
各家庭の優しくも可愛い守り神だった。






東華菜館の設計者、
ウイリアム・ヴォリーズは
日本におけるメンソレータムの父なのである。

彼が創立した「近江兄弟社」(1934年)は
アメリカのメンソレータム社の販売権を取得、
後に製造権も得て、日本中にこの薬は普及していった。

「近江兄弟社」の名前の由来は、
兄弟で設立したからでは無く
ヴォ-リズの理想、「人類みな兄弟」から来ているのだ。

メンソレ-タムの可愛いマスコットキャラクター、
「リトルナース」、或いは「ナースちゃん」は
各家庭の戸棚にひっそりと置かれていた。

ところで、現在、メンソレ-タムとメンタム、
二種の同じような薬が売られているのをご存知だろうか。

すなわち、メンソレ-タムとメンタムは効能はほぼ同じだが
異なった製造元で販売されているものなのである。

メンソレ-タムのキャラクターが
可愛い、「リトルナース」ならば、
メンタムのキャラクターは
ギリシャ神話からヒントを得た
凛々しい「メンタム・キッド」なのだ。

               (リトルナース対メンタム・キッド)
c0135543_9315637.jpg

何故、このような複雑極まる事態になったのか?

1974年近江兄弟社倒産!

買収したロート製薬は
親会社、アメリカのメンソレ-タム社も買い取り
メンソ-レタムの製造・販売権を獲得した。

一方の近江兄弟社の方は
大鵬薬品が資本参加し再建に乗り出した。

しかしながら、虎の子のメンソレ-タムは手放してしまった。

そこで、商標登録を維持していたメンタムを使い、
メンソレ-タムと対抗している。

               (近江兄弟社本社前のヴォリーズの像)
c0135543_9363534.jpg

               
今、どちらの方が優勢か?それは分からぬが、
私にとっては親会社はいざ知らず
断然「リトルナース」の方に愛着を感じる。

ヴォーリズさんは今の状況をどのように見ているのだろうか?
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by shige_keura | 2012-05-02 09:34 | | Comments(0)
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