随分昔のことだから、場所はハッキリ覚えていない。
確か、横浜、三ツ沢近辺だったと思うが、 浅間下、と云う場所と同時に浅間神社の名前を見出した。 ここの神社に行ったことはないが、 その時は名前を「あさまじんじゃ」と覚えていた。 何故ならば、浅間と言えば、私にとっては 何と言っても軽井沢から仰ぐ浅間山(あさまやま)だったからだ。 それが、大人になりかかった年齢の時 浅間神社(せんげんじんじゃ)と呼ぶことを知り、 全国至る所に同じ名前の神社があるらしいことを知った。 ただ、この表現(全国至る所)は間違いで、 浅間神社の存在はかなり偏っている。 具体的に浅間神社の分布は次の通りだ。 全国で独立した「浅間神社」の数は約520、 そのうち、関東地方に半数近く、 247の「浅間神社」が存在している。 但し、県別で浅間神社数ナンバーワンは静岡県、 その数、106、以下千葉県83、茨城県42、 そして、ここ山梨県にも42の浅間神社が存在している。 西日本に目を転じると 近畿以西では浅間神社の数は僅か7に留まっている。 これだけ分布が偏っている理由は明白だ。 何故なら、浅間神社とは富士山をご神体として 小高い丘の上から霊峰、富士を遥拝する 信仰から生まれたものだからである。 即ち、近くに遠くに、とにかく 富士山が拝める地理的条件が必要となってくる。 ただ、この浅間神社が、何故「せんげん」と呼ばれるか? その背景、歴史は明白では無い。 いずれにせよ、富士山の所在地である 静岡県、山梨県には、当然のごとく 数多くの浅間神社が存在しているのだ。 今回、初めて富士吉田にある 正式名称、「北口本宮・富士浅間神社」を訪れ 予想を上回る規模と荘厳たる雰囲気に驚いた。 鬱蒼とした杉林に囲まれた参拝道は昼なお薄暗く 両脇に石灯籠が連なる道の遥かかなたに 大鳥居の姿が認められる。 赤い大鳥居はどっしりと台地に根を生やした如くであり、 木造鳥居としての大きさは日本最大級を誇っている。 大鳥居を潜ると、両脇に 仁王像に代わって色鮮やかな 右大臣と左大臣が参拝客を迎い入れてくれる。 空を覆い隠すかのような大杉が2本、 富士太郎杉と富士次郎杉が本殿を守っている。 太郎杉の樹齢は750年以上、 富士山麓一帯の杉では最高樹齢である。 全国各地の浅間神社、 その本殿は通常、浅間造りと呼ばれ 優美、華麗な女性的な雰囲気を持っている。 (静岡県、富士宮にある浅間大社) (富士吉田の浅間神社) そのなかで、ここの本殿は誠に堂々と男性的、 数ある浅間神社の中で異彩を放っている。 神社裏から富士山頂へ続くのが「吉田口登山道」、 6月30日には登山道入り口の注連縄を切る儀式があり 翌日の7月1日が富士山山開きとなる。 未だ、雪をすっぽりと被った富士山だが あと2カ月も経てば、沢山の登山客が頂上を目指す事となる。
by shige_keura
| 2012-05-16 08:56
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