プロ野球ペナントレース、
交流戦も後半に入り、今まさに佳境に入ってきた。 今日は、意外と知っているようで知らない、 プロ野球の話題に触れてみたい。 以下の文章に一点、明らかな間違いがある。 それはどこにあるのだろうか? 「ここ、甲子園球場、 伝統の阪神・巨人戦が間もなくプレーボール! 阪神ナインはすでに守備位置に散っています。 今、球審から真新しいボールが 先発の能見に渡りました。 球場内を埋め尽くした黄色い旗、 レフト側観覧席の極く一部でオレンジ色が揺れています。 バッターは長野、 投手、能見、ふりかぶりました・・・・・・」 これを読んで、瞬時に誤りを指摘した貴方、 相当なるプロ野球通、野球通である。 答えを明かすと、「真新しいボール」、 この表現が明らかに誤りなのである。 5人で構成されるプロ野球の審判員の方々、 球場に来て、最初にやらねばならぬことがある。 それは、試合球を汚す事なのである。 正確に言うと、光沢を消し、 表面についている蝋を取り、 ボールが滑らないようにするのだ。 球の数は約100個から120個、 審判員の方々の苦労も並大抵のものではない。 ボールのつや消し、滑り止めに使う土砂、 これを、「もみ砂」と呼んでいる。 統一球導入以前は 各球場それぞれが独自の土砂を作っていた。 ここは「鳴き砂」で有名な 京都、網野町の琴引浜である。 足で砂を踏むと、琴を思わせる音色が聞こえる、 「琴引浜」とは、古都、京都に相応しい名前だ。 プロ野球の使用球がミズノ一社に絞られた昨年以来、 琴引浜の砂と、鹿児島県の火山灰を含んだ黒土を 混ぜ合わせたものが「もみ砂」として使われている。 混ぜ合わせ方は企業秘密で外部には明かされていない。 ではアメリカ、メジャーリーグはどうなっているのだろう。 1940年以前は日本と同様 各地の球場が言わば独自の土砂を使っていた。 それが、選手たちに不評なことに目を付けた目ざとい人がいた。 彼は、アメリカ中を探し回って(本人が言っている) 合衆国東北部、大西洋に注ぐデラウエア川のある場所で 無臭で、しかもボールが黒くならぬ魔法の砂を見つけた。 (デラウエア渓谷地方) 以来、メジャーリーグは デラウエア川の砂を元に出来た「もみ砂」を使用している。 この砂を発見した本人は無論大金持ちとなった。 しかしながら、依然として砂の取れる正確な場所は不明、 さらには砂の調合は、これまた、企業秘密となっている。 私の中学、高校時代 硬式のニューボールは、あたかも宝石だった。 何しろ、皮が剥がれそうになったボールを 皆が持ち帰り、縫い合わせたものだ。 比較的、新しいボールがプールに入ると一大事件! 練習どころではない、 水を吸い込む前に引き上げることに躍起となったものだった。 銀紙に包まれたボール、 紙を剥くときのトキメキ! 白球を手にした時の心地よさ、 思わず顔を近づけ匂いを嗅いだものだった。 それがなんだ!、わざわざ汚して使う!!!! 審判の方々の努力に敬意を表しながらも なんだか、やるせない思いが込み上げてきた。
by shige_keura
| 2012-06-08 09:01
| スポーツ
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