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愛すべき呑ん兵衛二人 -目は口ほどにものを言いー
前回の主人公はアイリッシュ・ウイスキーをこよなく愛し
頑固一徹ながらも人情深い老爺に対し、
今回はバーボン一辺倒の呑んだくれ医師が登場する。

男の名前はトーマス・ミッチェル、
160センチの小太りの男、
その特徴は千変万化の目の動きにある。

登場作品はジョン・フォードの西部劇の傑作、「駅馬車」、
そこで彼は酔いどれ医師、ブーンとして登場する。
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「駅馬車」の製作は1939年、
前期フォードの西部劇集大成、
ウエスタンの面白さを全て詰め込んだ快作である。

「駅馬車」以降のフォード西部劇には
枯淡の味わいが徐々に深くなっていく。

その原因となったのが、「駅馬車」後に
従軍記者として赴いたミッドウエーにおける戦争体験だ。

これが彼のターニングポイントとなって
彼の作品は西部劇とは思えぬ優しさが包むようになっていった。






「駅馬車」の素晴らしい所は
圧倒的な迫力のアクション場面だけではなく
当時の西部を彩った人たちの人間模様の語り口にある。
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この映画はジョン・ウエインの出世作としても名高いが
彼を脇でサポートしたのが
トーマス・ミッチェルの酔いどれ医師なのだ。
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ブーン医師は毎日が酒びたり、
お堅い人からは眉をひそめられる存在ながら
腕は確かで人情味厚い正義感である。

兄弟の仇を討つため脱獄したリンゴ―、
彼の良き理解者として
何とか彼の望みが叶うよう尽力する。
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インディアンの襲撃で窮地に陥った、駅馬車、
騎兵隊の助けで、何とか目的地に辿りつく。
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ブーン医師は、早速酒場に直行、
そこでカードゲームをしているリンゴ―の敵と出会う。
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リンゴ―の到着を知らされた敵は
ショットガンを小脇に酒場を出ようとする。

そのとき、敢然と立ちはだかったブーン、
ショットガンを持っていくならば殺人罪で訴えると言い放つ。
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不気味な静寂が酒場を覆う。

ショットガンをカウンターに投げ捨て、
「覚えてろよ!」と言い残し、
仲間と共にリンゴ―との決闘に行く。

グラスのバーボンをぐいっと一息、
肩の力を抜き人懐こい笑みを浮かべるブーン、
トーマス・ミッチェル真骨頂の場面である。
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トーマス・ミッチェル、素晴らしい目の演技、
この作品は彼にアカデミー助演賞をもたらせた。

「駅馬車」、「静かなる男」共に主演はジョン・ウエイン。

「静かなる男」のバリー・フィッッゼラルド、
「駅馬車」のトーマス・ミッチェル、
稀代の名脇役に支えられ、教えられたジョン・ウエインは
やがて「黄色いリボン」で役者としての境地を開いていく。
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by shige_keura | 2012-10-28 08:32 | | Comments(0)
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