ヨーロッパではリンゴは赤ではなく緑である。
もちろん、赤い色をしたリンゴもないわけではないが リンゴ畑の殆どは緑色に埋め尽くされている。 大きさも小ぶりで、カッチリと身が締まり、 酸味が強く野性的な風味である。 日本人が食べれば、「酸っぱ-い!」と言うだろうが これが、自然の果物の味なのだ。 生で食べても美味しいし、 アップルパイ、ジャム等、加工にも適している。 ところが、この青リンゴ、 日本ではなかなか手に入らない。 日本は今や、何でもかんでもが、 「あまーーい! 柔らか--い!!」の時代、 固くて甘味より酸味が勝ったリンゴは人気が無いのだろう。 ところが、ここ飯綱町では、細々とであるが 青リンゴを栽培・販売をしている。 「あった! あったよ!!」 緑のリンゴがたわわに実ってる。 試食をさせてもらうと、 まさに、あの味、口の中が清々しく洗われる。 早速、20個ほど分けてもらった。 種類は「グラニ―・スミス」(Granny Smith) 聞いて驚くなかれ、大変由緒あるリンゴなのである。 グラニ―とは「おばあちゃん」の意味、 青リンゴが誕生したのは1868年、 オーストラリアのマリア・アン・スミスおばあちゃんが作りだした。 サクサクした食感でジューシー、 徐々に庶民の間に浸透していった。 その後、ニュージーランドを経て1935年イギリス、 1972年アメリカに渡り大人気となっていった。 何しろ、欧米人が大好きなアップルパイに最も適しているのだから、 これだけでグラニ―・スミスの人気は高まった。 グラニ―・スミスと深い係り合いを持ったのが 20世紀最高の人気グループ、ビートルズだった。 1968年、ビートルズのアップルレコード誕生、 名前の由来はイギリスの子供が最初に覚える言葉がアップルであり、 デザイン・ロゴはグラニ―・スミス、 おばあちゃんのリンゴをモデルとしている。 何故、グラニー・スミスとしたかであるが それは、当時ポール・マッカートニーが所蔵していた絵、 ルネ・マグリッドの「青いリンゴ」にヒントを得ている。 人気グループと有名な現代芸術家、 そのいずれにも取り上げられたのが おばあちゃんのリンゴ、グラニ―・スミスだったのだ。
by shige_keura
| 2012-11-27 08:34
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