今年のプロ野球ペナントレース、
私の最大のガッカリ場面は 6月5日、セパ交流戦、巨人対ソフトバンク戦で起きた。 得点は0-0ながら、未だ中盤の4回。 巨人は連続安打で無死1,2塁、 ノッシノッシと阿部選手が打席に向かう、 願ったりかなったり!! ここは一気に突き放すチャンスだ!! しかし、続く光景は予想だにしないものだった。 何と、阿部がバントしたのだ、阿部にバントだ。 ここ数年、セパ両リーグで最も頼りになる打者が阿部、 しかも今シーズン、彼は満開の花を咲かせている。 何故に犠牲バントなのか!! 「おいおい、阿部をお好み焼きのトロロにする気か! 阿部が”つなぎ”か! 冗談じゃね-! そりゃ、ねーだろーー! 気は確かか!! まったくもって、”はらたつ”監督だなーー!」 ここが、原名将論に私が断固反旗を翻す所なのだ。 この時は次打者死球で1死満塁となり1点が入った。 しかし、ここで1点が入ったからとほくそ笑んではいけない、 大量得点のチャンスを自らが放棄したと反省せねばならぬ。 アメリカ野球映画の快作、「マネーボール」はこう語る、 「犠打は無駄死にすぎない」 では、「マネーボール」が正しいか? 日本のチマチマ野球が正しいのか? 犠打に関する過去の科学的分析を紹介しよう。 最初は2005年のセパ両リーグデータに基づく 東洋経済社発刊の「野球人の錯覚」より。 無死1塁で犠牲バントと強打の場合、 得点確立 平均得点 バントしない 40.6% 0.885 バントする 40.4 0.758 バント成功 44.0 0.919 バント失敗 28.4 0.552 勿論、打順によって結果に隔たりがあるが 全てをひっくるめた純統計的データを参考にすれば、 バントは余り意味が無く、「マネーボール」正解となる。 次に、2009年2行われた 5名のプロ野球人の討論を振り返ってみよう。 その時、示されたデータによると、 バントをした場合の得点率は36%に対し しなかった場合の得点率は40%となる。 この日、出席していた古田敦也さんは データ開示前から唯一人、バントの無駄な事を力説したと言う。 最後に2010年、小林信也さんの書いた 「データで読む常識をくつがえす野球」より。 1996年から2009年の間、膨大なデータからの結論は、 「バントをしてもしなくても点の入り方に余り差はない」となる。 併せて、興味ある分析結果が提示されている。 「送りバントが多くても少なくても チームの勝率には関係ない。 特に、野手にバントをさせた場合は 得点力が落ちる結果となり 何ら勝率アップには貢献しない。 唯一、投手にバントさせ成功した場合のみ 得点力アップに繋がる」 以上は結果から見た統計データの集積であり、 バントの名人、川相、宮本選手たちの チームに対する功績は全く否定できぬ。 しかし、無死1塁でクリーンアップ、スラッガー、巧打者の打席、 ここはファンの期待通り強硬策がセオリーに叶っている。 ましてや、あの場面で阿部選手にバントのサイン、 まさに笑止千万と言わざるを得ない。 チマチマと勝ちにこだわるよりも プロとしての魅せる野球を追い求めよ! 野球場に足を運ぶ全てのファンは 阿部選手のバントなんか これっぽちも期待していないのだから。
by shige_keura
| 2012-12-11 02:07
| スポーツ
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