Top
天才を繋ぐ糸  −2−
子供達二人が親の芸域を既に超えたのかどうか?
それは分からない。

例えば、志ん朝を見てみれば、
父親の飄々とした味わいの域には達していなかった。

ただ、この味は年輪を重ねていくほどに
じわじわと沁み出てくるものであり、
あのまま生きていたら
父を超える存在となったことは充分に予想される。

更に、これは確実に言えることだと思うが
子供達が父親を凌駕していた点は
色気を感じる洒脱さと初夏の日差しを思わせる明るさである。

父二人も洒脱であることは否定できぬが
その裏に、ちょっとした屈折感が垣間見えている。

そのことは、志ん生の度を超したおちゃらけた風情、
17代の時たま見せる刺のある眼差しに見て取れる。

一方、子供二人に共通している所は
持って生まれて身についた洒脱さであり明るさであるので
より一層、親しみやすいキャラクターを形成している。






二人を繋ぐ糸、共通項、
ちょっとこじつけになるかもしれぬが、
二人の身近に似たような女優が存在する。

ひとりは、勘三郎の姉、1945年生まれの波野久里子であり
もうひとりが、志ん朝の姪、1955年生まれの池波志乃である。

実は、この二人、私は前々から似ていると思っていたのだが
今回のことが起こって尚更、因縁めいたものを感じてしまう。

二人共に名前に「波」の字が入っているのも符号と言えば言える。

波野久里子は先代・水谷八重子に師事し
現在は当代・八重子と共に新派を支える重鎮だ。

ここで当代・水谷八重子が志ん朝の親友として登場する。

彼女は最後の最後まで志ん朝の健康を気遣っていた。

それは、志ん朝の晩年、
とある結婚披露宴で同席した時のことだ。

既に志ん朝の身体は糖尿病に侵され
肝臓にもガタが来ていた。

にもかかわらず、煽るようにウイスキーを飲む志ん朝、
八重子は思わず「あんた、いい加減にしないと死ぬよー!」と声を荒げた。

既に酩酊した志ん朝は、俯いて呻くように呟いた。
「こんなもんで死ねるかーー」

酒好きと言うことならば勘三郎を負けていない。

息子・勘九郎の結婚披露、
嬉しさのあまり飲み過ぎた勘三郎は
記者会見をキャンセルせざるを得なかった。

勘三郎は食道癌の手術を受ける4日前、
親しい友人を集めてゴルフコンペを開いた。

プレー終了後、インタビューを受ける勘三郎、
「ねー、ノンアルコール・ビール頂戴」

ぐいとひとのみ、そしてこう言った。
「もう1本お代わりね、
 アルコール入ってなくても旨えんだな、これが」

でも、そのときの表情には
本当のビールが飲みてーな、と書いてあった。

続きは次のブログにて。
[PR]
by shige_keura | 2012-12-19 07:08 | | Comments(0)
<< 天才を繋ぐ糸  −3− 天才を繋ぐ糸  −1− >>



2007年9月末にこちらに引っ越してきました。
→過去のブログを見る


ホームページ 



LINK 

カテゴリ
全体



スポーツ
その他
LINK
トリップアドバイザーにお勧めブログとして認定されました。金沢 ホテル
旅行口コミ情報
最新のコメント
↑恥ずかしいからそういう..
by Hiraoka at 17:45
試合はブチ切れるし、判定..
by shige_keura at 09:36
コメント有難うございまし..
by shige_keura at 18:00
全話をチェックした訳では..
by 通りすがり at 16:23
思い出しました!!! ..
by aosta at 13:46
以前の記事
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
more...
検索
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

LINK FREE

このブログの写真・テキストの無断使用はお断りします。

(c) 2007 shige_keura. All rights reserved.