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久しぶりの厨房 -嗜好の変化ー
御同輩の方々も同じと思うが、
歳を重ねると共に全く評価が変わってくる食材がある。

私の場合では大根、椎茸、蓮根、等がそれに当てはまる。

大根の煮物の美味しさは子供時分には理解できなかった。

今では冬のおでんの具の中で
大根の存在は欠かせぬものとなってきている。
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金沢で暮らしていた時の楽しみのひとつは
日本海のブリの味が深くしみ込んだ
加賀の源助大根(ブリ大根)を味わう事だった。
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椎茸もしかり、蓮根にしても
食卓に並んでいる姿に胸弾ませた
子供の頃の日々はなかった。

食の嗜好は年と共に変化していく。

その代表的な食材が牛旁である。
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泥にまみれたその姿、
一見してテンションが下がる食材だった。







食べ物と思えぬ素材、
確かに日本、韓国、台湾、中国以外では食用にされていない。

第2次大戦中、捕虜となったアメリカ兵が
日本は食事で木の根を食べさせるといって問題となったが、
これは、実は牛旁だった、という話も伝えられている。

もともとは牛旁は中国が原産、
なぜ、このような奇妙な字がつけられたか?

牛という字は草木の大きなものにつけられるそうだ。

当時、旁というゴボウに似た草があった為
あたまに牛の字をつけて、大きな旁、
すなわち牛旁になったと言うわけだ。

西洋では初夏の頃、若葉をサラダで食べると言うが
私は欧州でそんなサラダを食べた記憶が無い。

根の部分は欧米では発刊利尿作用の薬として用いるが
牛旁そのものにはポリフェノールを豊富に含んでいる。

即ち、牛旁は我々にとっては実は有難い食材なのだ。

ではポリフェノールはどこに含まれているか?

牛旁を水にさらした人は多いと思うが
そのとき水を濁らせる成分がポリフェノールなのだ。

だから、身体の為を思えば
牛旁は皮をむいたり水にさらしたりしてはいけない。

いずれにせよ、子供のころには箸の勢いが鈍った牛旁だが
それが今ではどういうわけか、
例えば「きんぴらごぼう」とか
「かき揚げ天ぷら」に堪らぬ旨さを覚えるこの頃だ。

2月某日のNHK、「3人のシェフ・Neo」
牛旁特集から学んだ料理2点を
次のブログで紹介しよう。
by shige_keura | 2013-03-01 08:40 |
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