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怪童の思い出 -後篇ー
4月8日パリ―グ開幕第2戦、
神宮に詰めかけた観客は6万人を記録した。

当日行われた後楽園の巨人・阪神が4万人、
何故、東映・大毎のカードにこれだけの観客が詰めかけたのか?

これは、ひとえにオープン戦で長嶋をキリキリ舞させた
尾崎行雄の登板を見たかったからだ。

それは3月28日、浜松でのオープン戦、
尾崎は打者・長嶋の所で登板した。

東映を率いて2年目の水原茂監督の腹はこうだった。
ここで、長嶋を押さえればペナントレースで切り札に使える。
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勝負はたったの4球で決まった
尾崎の投げる快速球に長嶋のバットは空を切った。

「へー本当ですかー、あれが17歳、うーん、信じられませんね」
これが長嶋の試合後のコメントだった。

あの、長嶋を直球一本やりで仕留めた尾崎だ、
ミサイル打線、葛城、榎本、山内、田宮との勝負は如何に!




試合は東映の先発久保田が序盤打ち込まれ
1-3、2点差をつけられて9回裏に入った。

今日は尾崎の登板はない。

球場全体を溜息が覆るころ
なんと、土壇場で東映は2点を返し延長戦に入った。
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延長10回表、水原茂は立ち上がった。
「おい、チビ出番だぞ!」

チビとはチームメートがつけた尾崎のニックネーム
身長は176センチ、チビでは無かったが
高校2年生、顔つき仕草にあどけなさが残っていたからだ。

満場は割れんばかりの大歓声。

迎えるは大毎の2番3番4番の中軸、
さぞやさぞ尾崎は顔面蒼白と思いきや
人懐こい笑顔を浮かべてマウンドに立った。
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このとき、私はラジオにかじりついていた。
普通はパリ―グの試合には興味を示さない私、
やはり、尾崎のピッチングが気になっていたのだろう。

先頭の葛城はよけたバットに当たるピッチャーゴロ、
続く、打撃の職人榎本は茫然と速球を見逃し三振。

ここで大毎と言うよりかパリ―グの至宝、山内を迎えた。

山内は数日前に記者に次の言葉を残し
それが記事となって尾崎の目に止まっていた。

「速いと言っても高校生の坊やでしょう、
 まあ、見ていて下さい」

山内は打席の中で唸った、
速球に全くバットが合わない。

こんな筈ではと思ううちに見逃し三振。
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完璧なデビューでマウンドを下りる尾崎、
あどけない顔を見なければその仕草は
10年選手のようにふてぶてしかった。

160キロを超えると言われた尾崎、
ここで最初の疑問、江川と尾崎どちらが速かったかに決着をつけよう。

疑問を解くカギは、永野さんの言葉、
「高校2年の江川が最も速かった」にある。

すなわち、高校時代は江川の方が速かった、
しかし、プロの両者の全盛時代を比較すると
尾崎の方が速かったのではないだろうか。
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怪童の名がつけられた尾崎行雄だが、
残念ながら入団4年目で肩を壊し
プロ生活12年、弱冠29歳で引退を余儀なくされた。

プロ野球も人生も猛スピードで駆け抜けた尾崎、
今頃は天国の強打者連中をキリキリ舞させていることだろう。

尾崎さん、返す刀でこの世でのさばる
NPB機構、コミッショナーも成敗して下さい。
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by shige_keura | 2013-06-18 18:53 | スポーツ | Comments(0)
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