レトルトカレーのパック、「なぎさホテル」のカレ-、
「何だこれは??」と言うなかれ、 私の従弟が気を利かせて送ってくれたものだ。 事の発端は、私の本屋の立ち読みから始まる。 7月某日、渋谷東急プラザ内、紀伊国屋書店 8階にある酒井歯科の帰りに立ち寄った。 店内をフラフラ歩いていると、 旨そうな肉が表紙の雑誌が目にとまった。 Dancyu・8月号、見出しは”Do you love meat?" "Oh yes,of course!”、 本を手に取り開こうとした時、 表紙の下に書いてある字が目に入った。 「逗子なぎさホテル・カレ-」・伊集院静。 伊集院静となぎさホテルの係り合いは知っているが なぎさホテルカレ-とは何ぞや??? 私が逗子で過ごしたのは幼稚園から小学校の低学年、 だから、「なぎさホテル」の思い出は希薄だ。 しかしながら、洒落たホテルが海辺にあったということは良く覚えている。 それもその筈、「なぎさホテル」は当時、湘南では唯一の洋式ホテル、 完成は1926年、元号は大正だが12月25日より昭和となる。 そして、このホテルが閉鎖したのが1989年、 1月8日より平成となるが昭和との架け橋の年だ。 すなわち、「なぎさホテル」は御同輩にとってはもっとも親しみ深い 昭和の時代をフルに生き抜いてきた吾等のホテルである。 伊集院静さんはこのホテルに 閉鎖前、約8年間逗留していた。 自らを無頼派と称する伊集院さん、 逗留したきっかけは知らぬが 生まれから青春時代を周防灘ちかくで過ごした彼にとって 湘南の海に強く魅かれるものがあったのだろう。 彼がホテルのバ-で飲んでる姿は 想像するだけで、ぴたっとはまってしまう。 ただ、話を聞くと、当時の彼は居候、 羽ぶりは良くない時代だから バ-で寛いでいる暇は無かったことだろう。 「なぎさホテル」は又、葉山に御用邸が或る関係か、 皇族の方々との接点が多い。 例えば、大正天皇が葉山で崩御された時 皇族16宮家は「なぎさホテル」に滞在した。 その後、天皇陛下が皇太子時代 ヨット等でこのホテルに何度となく立ち寄った。 そのとき、必ずと言って良いほど 口にされたのが「なぎさホテル」チキンカレーだったのである。 そして今、時空を超えて、「なぎさホテル・カレ-」が復刻した。 ひとつは、逗子の蕎麦屋、凜桜、 もうひとつは、同じ逗子市内の仏レストランAsile、 そして、何故かレトルトカレーも売り出された。 何故、今なのか? その理由は分からない。 分からないが、昔の逗子を知る者にとっては 懐かしい思い出が蘇ってくる。 さてさて、このレトルトカレーを食べた時 青春の甘美な日々が蘇ってくるのか? はたまた、辛く残酷な場面を思い出すのか? それは、食べてみてのお楽しみ。
by shige_keura
| 2013-07-19 09:00
| 食
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