吾等にとっての”アット驚く”とくれば為五郎、
80年代の人気テレビ、「巨泉・前武 ゲバゲバ90分」の中で ハナ肇の得意のフレ-ズ、「アット驚く為五郎」である。 しかしながら本日の主役は人間ではなくてサラブレッド、 1989年の有馬記念で超番狂わせを演じ、 実況アナに「アット驚くダイユウサク」と言わしめた馬のことだ。 そのダイユウサクが8日の日に 放牧中に倒れて息を引き取った。 28歳と言う生涯はシンボリルドルフ、ハイセイコ―の30歳には及ばぬが オグリキャップの25歳、スピードシンボリが27歳を考えれば これぞ「ダイユウサク 大往生」であると言えよう。 ダイユウサクは名前の由来からして一流馬とは言えない。 馬主はもともと孫の名前、コウサクをヒントに ダイコウサクと命名する積りが なにかの手違いでダイユウサクとなってしまった。 当時は馬名登録後の変更も出来たのだが 肝心の馬がデビュー後さっぱり勝てない。 それを見た馬主が、こんなヘボな馬に孫の名前まかりならぬ、とのことで ダイユウサクの名前で通す事となった。 4歳、5歳と歳を経るとともに ダイユウサクは地味な活躍を見せ1991年の有馬記念を迎えた。 その年のグランプリレースへの出走は15頭、 ダイユウサクは14番人気、すなわちブービー、 誰もが勝てるとは思っていない。 何しろ、この年は絶対本命として 三冠馬のメジロマックイ―ンがダントツの一番人気、 ダイユウサクの馬主でさえ、交通費を倹約して中山に姿を見せなかった。 レースは内枠1番・メジロマック―インの横綱相撲 4コーナーで先頭に躍り出て後続を引き離した。 誰もが絶対王者の勝利を信じて疑わなかった、そのとき、 メジロの内をすくうように目にもとまらぬ脚色でゴールを駆け抜けた馬が居た。 「なんだ、あの馬は、8番は誰だっけ???」 そのとき、実況アナの絶叫がかぶさった。 「アット驚くダイユウサク!!!」 単勝配当、137.9倍、有馬記念史上最高記録である。 メジロマックイ―ンは直線でバテたのか? いや、そうではない。 ダイユウサクのタイムは有馬記念の驚異のレコード、 その後2003年シンボリクリスエスに破られるまで 彼の名前はレコードホルダーとして歴史に刻み込まれていった。 史上最強の一発屋、ダイユウサク、 有馬記念優勝以降6戦勝利なし、 それも6着、9着、8着、8着、14着、15着、 見事な負けっぷりである。 さてさて、今年の有馬記念まで、あと2週間を切った。 圧倒的人気を集めるだろうのがオルフェーブル、 果たして平成の「アット驚く」が飛び出すのであろうか?
by shige_keura
| 2013-12-09 21:03
| スポーツ
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