個性的な声優として息長く活躍されていた永井一郎さんが
1月27日亡くなられた。 慎んで御冥福をお祈りします。 永井一郎さんの名前が広く世に知られたのは 何と言っても「サザエさん」の波平役なのではないか。 しかしながら吾ら世代にとっての永井一郎さんといえば それは、かつての人気テレビ西部劇、 「ローハイド」のウッシュボーン爺さんでしかない。 1950年代、アメリカから数多くのテレビドラマが輸入され 日本のテレビ黎明期を牽引していった。 その中で、西部劇は映画同様人気ジャンル、 私の記憶の中では先陣が「ローン・レンジャー」、 続いて「キット・カーソン」「メイ犬リンチンチン」 「アニーよ銃を取れ」「バファロー・ビル・ジュニア」等が 主に子供達の間で人気を集めていた。 (テレビ西部劇のはしり、「ローン・レンジャー」 その後、番組自体も30分から1時間へと大型化、 子供ばかりか大人も楽しめるテレビ西部劇が日本を席捲した。 代表格だったのが”ローレン、ローレン、ローレン・・・” フランキ-・レインの野太い歌声に乗って登場した「ローハイド」、 3,000頭の牛をテキサスからミズ-リ-へと運ぶ 荒くれ西部男たちを描いた勇ましい西部劇だった。 「ローハイド」の主な出演者は5名。 (左からジェームス・マードック、エリック・フレミング、 ポール・ブラインガ-、クリント・イーストウッド、シェブ・ウ-リ-) 隊長ギル・フェ-バ-に扮するはエリック・フレミング、 声の出演は小林修、後にユル・ブリンナーの声を受け持つこととなった。 隊長の若き補佐役、ロディ-・イエ―ツは 今やハリウッドの重鎮となったクりント・イーストウッド、 声は終生、イ―ストウッドとお付き合いし 「ルパン3世」でも一世を風靡した山田康雄。 斥候役で乗馬の名手、ピート・ノ-ランは クーパーの「真昼の決闘」で悪人を演じたシェブ・ウ-リ-、 声はテレビ映画にはしばしば登場した金内吉男。 一行の胃袋、即ち食事を担当するのが 厨房助手のマッシ―・グローブ(ジェームス・マードック、市川治) そして料理長でもあり、隊の最長老として睨みを利かす ウイッシュボーン爺さんとして登場したのがポール・ブラインガ―、 声の担当が、今日の主役、永井一郎さんだった。 永井さんはウイッボーンの声を担当したことで その後の人生航路が決まったようだ。 このことで、舞台映画俳優に見切りをつけた永井さん 声の専門俳優として新たな道を進むこととなった。 ただ、永井さんのウイッシュボーンが余りにも極めつけ! 以降も若い人の声の担当をすることは殆どなかった。 驚きは、その時の永井さんの年齢である。 何と21歳の若さで、あの老けた声を担当していたのだ。 もう一つの驚きは、ウイシュボーン役のポール・ブラインガ―、 42歳で最長老の頑固爺を演じていたのだ。 (「ローハイド」一行来日時) 何とも、不思議な個性的な声優・俳優二人である。
by shige_keura
| 2014-02-02 16:13
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