イタリア映画「はじまりは5つ星ホテルから」を観た。
題名に対する文句はひとまず置いといて、 この作品には7軒の5つ星ホテルが登場する。 場所はパリ、ベルリン、スイスのグシュタ-ド、 モロッコのマラケッシュ、上海等々、 規模的に大きなホテルばかりの様だ。 登場ホテルは、私が滞在したことが無いホテルばかりだが、 パリのクリヨンは日本から来たお偉方の随行で ロビーまでは入ったことはある。 又、シンデレラの夢の城を思い起こさせる グシュタ-ド・パレスホテルを仰ぎ見つつ 心地よいアルプスの散歩を楽しんだ事もあった。 (パリのホテル・クリヨン) 両ホテルは共に流石5つ星、 我こそはスーペリア-・ラクジャリ-、 その存在感は群を抜いている。 (スイス中央アルプス、グスタ-ド・パレス・ホテル) それでは、このホテルに泊まりたいか? もしもタダで泊まれるならば、「そりゃ結構毛だらけ」となるが だからと言って余り気持ちは昂ぶらないと思う。 何と言ったらよいのか、難しところなのだが 周囲をあたかも睥睨するかの雰囲気に馴染めない。 更に言ってしまえば大規模な超高級ホテルの場合 たしかに部屋の居心地は素晴らしいとは思うが それに引き換え、食事が期待外れとなることが多いのだ。 欧州滞在時バカンスに良く利用したのが「シャト-・ホテル」である。 シャト-と言えば城と訳すのかもしれぬが この場合は城と言うよりも昔の邸宅と言った方が良いだろう。 フランス、イタリアの田舎町には その土地の領主・名士の立派なお屋敷、 或いは教会・寺院を改造し、ホテルとしている所が多い。 5つ星ホテルに比べれば、規模は遥かに小さいが そのぶん、家庭的で温かいサービスを享受できる。 そして、何と言っても素晴らしいのが 大規模ホテルでは味わえぬ食事の素晴らしさである。 (仏・プロヴァンスの「ボ-マニエ-ル」) 目の前の海で取れた新鮮な魚介、 山で収穫した野鳥やキノコ、 そして自家菜園の瑞々しい野采の数々、 本物の食材が目の前に並んだ時の胸のときめき!! 朝はテラスの食事、プールサイドの昼食に喉の渇きをいやす飲み物、 松明に揺れる鬱蒼とした森を見ながらの夕食、 一日の時の流れはあくまでも緩やか、 この「ゆったり感!」にこそ、本当のバカンスの値打ちがある。 (マルセイユの「プティ・ニース」ホテル) 赤いポピーが咲き乱れるフランスのプロバンス、 ヒマワリに埋め尽くされたイタリア・トスカーナの丘陵、 欧州の田舎町を巡る旅を思い起こしながら 「はじまりは5つ星ホテルから」のホテルと比較した。 尚、この映画のオリジナルタイトルは「Viaggio Sola」 日本語で言えば「ひとり旅」である。 映画を見ればすぐわかるが、 この作品は、邦題とは何の関係もない。 映画の訴えている所は、 中年女性の過去・現在そして未来に向かう「ひとり旅」なのだ。 今回も私に言わせれば、この日本語題名は落第! もしも私が映画配給会社のタイトル命名者ならばどうする? 日本人のメンタリティを当然意識しながら 映画の伝えたい所をタイトルに凝縮する。 例えば、「ひとり旅・星は幾つ?」 「ひとり旅に心は揺れて」、「旅の行きつく先には」 どれも、陳腐感は否めず! 難しい!! 肝心の映画の評価だが、 なかなか良くできて面白かったが 欲を言えば、編集段階での一工夫が欲しかった。
by shige_keura
| 2014-03-16 21:41
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