11月19日夕刻、渋谷ヒカリエ11階から見る夕陽である。 「東急シアターオーブ」で行われていた評判のミュージカル 「Singin’ in The rain」を堪能したあとの高揚した気分を鎮めるため 暫し暮れゆく空に見入っていた。 その昔、ハリウッドが最もハリウッドらしく輝いていた時代の 代表的な映画会社のひとつがMGM(メトロ・ゴールドウイン・メイヤ―)、 ライオンが吠える巻頭は映画ファンならずしてもお馴染みのものだった。 当時の評判は「MGMには星の数よりも沢山のスターが居る」。 この言葉がなるほどと思わせる映画が「ザッツ・エンターテインメント」、 1974、75年に製作された作品はMGMの素晴らしさを語っている。 登場した主な俳優は女優がエリザベス・テーラー、デビー・レイノルズ、 エヴァ・ガードナー、ジュディ・ガーランド、ジューン・アリソン、レスリー・キャロン、 ジンジャ―・ロジャース、シド・チャリシ、ライザ・ミネリ等々、 男優で言えば、クラーク・ゲーブル、ジェームス・スチュアート、 ビング・クロスビー、フランク・シナトラ、ケイリー・グラント、 モーリス・シュヴァリエ、スペンサー・トレ―シ―、ミッキー・ル-ニー達だった。 まさに豪華絢爛の中にあって頂点に居たのが フレッド・アステアとジーン・ケリーだった。 ミュージカルを十八番としたMGMにとって二人は至宝、 小粋で洒落たステップを披露するフレッド・アステアと アクロバティックなダンスが得意なジーン・ケリーは 満天下のファンを魅了した。 中でもジーン・ケリーの登場した「雨に唄えば」は 映画歴史の中のミュージカル代表作として今に伝えられている。 主題歌「シンギン・イン・ザ・レイン」はMGMのシンボルソングとなり、 ジーン・ケリーが雨の中で披露するタップダンスは 映画史の中での名場面中の名場面として語り継がれている。 ミュージカル映画最高峰の「雨に唄えば」が、 あの「白鳥の湖」で世間をアット言わせた アダム・クーパー主演のミュ-ジジカル舞台として、 ここ「東急シアターオーブ」に帰って来た。 これは映画ファン、ミュージカルファンとしては見逃すわけにはいかない。 「素晴らしい!!」その一言だった。 映画の筋をほぼ踏襲し、よくもここまで舞台に再現したものだ。 舞台装置、演出、照明全てが完璧の出来だった。 そして、勿論あの雨中の名場面、 舞台上に雨が降り注ぐ中をアダム・クーパーが華麗にダイナミックに舞う。 しなやかな脚の動きで雨も舞い、 客席にも飛び散り、満場は興奮の極に達した。 カーテンコールは撮影自由の異例のサービス、 いつまでも拍手が鳴りやまぬ名舞台だった。
by shige_keura
| 2014-12-01 12:21
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