昔々、子供のころ、虫に刺された時、
「キンカンでもつけておきなさい」と言われた経験を持つ人は多いと思う。 かくいう私もキンカンには随分とお世話になった覚えがある。 「うへー、しみる・・・・!!、」キンカンを塗った時の感覚、 経験者でなければ分からない、一種独特の辛さが駆け巡った。 「良薬口に苦し」の塗り薬版、 当時、しみる強さはヨードチンキとキンカンが双璧だったように思う。 さてさて、この画像は、食用の金柑、 小粒の黄色い果物である。 その昔、金柑は殆ど口にしなかった。 たまに生で食べた時、 金柑の香りの強さだけが際立ち、 2個目までは手を伸ばす気にならなかった。 ところが、品種改良されたのだろう、 最近の金柑は素晴らしく美味しい。 正確に伝えると美味しいと言うよりか ビタミン豊富で身体にすこぶる良さそうな味と香りは 風邪も一目置くように思われる。 だから、ひとつでは止まらず 2個、3個と手が伸びてしまう。 金柑はミカン科の果物、 中国・長江が原産で金橘とも呼ばれている。 英語では一般的には”Chinese Orange"と呼ばれているが 正式には“Kunquat”又は”Cumquat”と言われ 金橘の広東語読みと言われている。 金柑は食用とされているほか、 ノドの痛みや咳止めの効果があるとされている。 一方、昔馴染みの”しみる”キンカンは 「金冠堂」の主力商品で金柑とは字が違っている。 社名は1926年韓国の慶州で発掘された 古代・新羅の王冠に由来している。 その背景には次の様な事情がある。 当時、創業者の山崎栄ニはソウルに住み 火傷に効く薬の研究に従事していた。 何故なら、彼は姉の子供が大やけどで死亡するという 不幸な事件に遭った為である。 1930年東京に戻った山崎は「金冠堂」を設立、 以来塗り薬「キンカン」は多くの人々の常備薬となっていった。 食べる金柑とくするの金冠堂、 全く関係がないかというと、そうでもない。 現在、金冠堂の商品のひとつに金柑を使ったのど飴があるのだ。 果物の金柑、非常に地味な存在だと思うが、 一度生で食されたらいかがでしょうか? その瑞々しい味と清々しい香りに驚かれるに違いない。 金柑食べて、風邪なんか吹き飛ばせーー!。
by shige_keura
| 2015-02-01 18:35
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