今年も爺のお楽しみイベント、
新潟夏競馬の日がやってきたのは9月5,6日、 今回は宿泊を1泊から2泊と増やし、とことん競馬を楽しむこととした。 新幹線で約2時間、 新潟駅に下り立つや否や胸が躍る。 競馬場の入り口をくぐると越後美人?ギャルのお出迎え、 そして新潟競馬のシンボル、 ゴール前で羽ばたくトキが歓迎している。 その昔の若かりし頃、競馬にのめり込んでいった 1960~70年代の新潟競馬はローカル色が際立ち、 舞台で言えば二流役者の落ち行く先の感がしていた。 サラブレッドは夏の暑さが苦手、 従って一流馬は暑さを避けて北海道へと放牧に出されていた。 (御贔屓、イタリアの伊達男、ミルコ・デ・ムーロ騎手) 騎手も同じように、ベテラン人気ジョッキー、 野平祐二、加賀武見、郷原洋行、柴田政人は勿論、 頭角を現した、武豊、横山典弘等はこぞって北海道へ出かけていた。 ところが、馬の飼育、育成技術の進化とともに 新潟競馬場の大改築もあり、 近年は新潟競馬場デビュー馬の活躍が目立つようになった。 (関東の人気ジョッキー、田辺に蛯名) 例えばジャスタウエイ(天皇賞、安田記念)、ハープスター(桜花賞)、 イスラボニータ(皐月賞)等のG1優勝馬は 新潟でデビューしアイドルホースとなっていった。 (新潟名物1000メートルの直線競馬) 新潟競馬場の格が上がっていくとともに 年々、客足は伸びているように見受けられる。 今年のお目当ては新潟記念、 毎年荒れるレースとして有名なのだが 私は自分の推理に相当なる自信を持っていた。 狙いはパッションダンス、 ここ1年ほどの成績は冴えないが 着順ほどにタイムは負けていない。 過去のレース・ステップを良く見ると いかにもこの新潟記念に 照準を合わせているかのように見受けられる。 更には鞍上(ジョッキー)に名手、ミルコ・デ・ムーロを起用してきたのだが、 その割には人気が今一歩、6~7番人気のところで低迷している。 「しめた!これだ!!」。 パッションダンスの単勝と、この馬からの連複馬券を握りしめ メインスタンドで今や遅しとファンファーレを待った。 折悪しく小雨模様、スタート地点は 向こう正面、2コーナーのポケット。 ゲートが開いてスタート! 3番枠のパッションダンスはスタートを決めて 内に潜り込んで経済コース、 楽に先頭集団を追っている。 「いいぞ、この調子だ!」 第3コーナーへ向かう長い直線、 パッションダンスの走りは軽快そのもの デ・ムーロはぴたりと馬と折り合い、 逃げ馬を射程圏内に置いている。 4コーナーを回って新潟名物、外回りの長い直線、 ゴールまで600メートルの旅路が待ち構えている。 雨に煙る遥か先、薄いベールの向うがどうなっているのか? 豆粒のようなひと塊の馬群が徐々に大きくなってきた。 さー、勝負どころだ! 突如、逃げる柴田大知のマイネルミラノめがけて 内に潜んでいた刺客、パッションダンスが 進路を外にとって馬体を並びかけてきた。 しかし、マイネルミラノも抜かれそうでしぶとく粘る。 二頭の熾烈な叩き合いが200メートルに渡って繰り広げられ、 満場は興奮の渦に包まれた。 「デ・ムーロ、デ・ムーロ!!」 年甲斐もなく声を枯らす爺の前を、 力強く頭の差で差し切ったパッションダンスが トキのゴール板を先頭で駆け抜けていった。 「ヤッター!! やったぜ!!!」 東京に帰る電車の中のビールが 心地よく喉に沁みわたっていった。 だから競馬はやめられない。
by shige_keura
| 2015-11-30 22:53
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