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師走の金沢 -ジビエ・ジビエ・ジビエ-
今回の金沢訪問に新たな楽しみが加わった。

それは、海の幸だけではなく
狩猟解禁時期の今、
北陸の山の獲物をふんだんに味わうことであった。

今、我々を乗せた車は金沢から東南、
馴染みの御鮨屋さん「千取」の脇の通り、
石引(いしびき)を通過している。
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石引とはその昔、加賀藩がお城の石垣を築くための石を
戸室山から切り出してお城まで引いて行った
道筋であるとこにその名の由来がある。

冬の17時半を回ればすでに夜の帳は降りている。

車は湯湧温泉(ゆわく)の方に向かって進路を取るに従い、
人家はまばらとなり漆黒の闇に包まれる。

こんなところにお店が本当にあるのか?と心配になるころ、
目的地のお店「つばき」が突如姿を現す。
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ジビエと言う言葉を初めて聞いたのが
1980年初頭のベルギー、ブラッセルでのことだった。

偶々、東京から赴任したのが冬の時期でもあったことで、
出迎えてくれた友人に「ジビエの季節にようこそいらっしゃいました」
と言われたのが最初だった。

ジビエとは本来狩猟のことだが、
そこから転じて狩りの獲物、野生の鳥獣を意味している。
               (店に吊るされる獲物の数々、欧州ではお馴染みの光景)
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当時の楽しみは鹿、山鶉、山鳩、野鴨、キジ等を
芳醇な赤ワインと共に味わうことだった。

1990年後半に帰国してからも一冬に1回は
フレンチレストランでジビエを味わうことを楽しみにしてきた。

ただ、日本で獲れたジビエを本格的に味わうのは今回が楽しみであり、
中でも、今まで味わったことのないジビエへの期待は大いに高まっていた。

なにしろ、この店は和菓子の名店、「吉はし」のご主人の紹介、
きっと、良い店に違いない。







昨年の同じく師走、「吉はし」を訪れた時に
ご主人の口から発せられた言葉がこれだ。

「少し場所は不便ですけれど、行く価値はありますよ。
とにかく四季折々自然の恵みをたっぷりと味わうことが出来ますからね」。

期待は裏切られぬどころか、
予想を遥かに超えた満足感を味わった。
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              (炉端の席もあるが座りやすいテーブル席を予約する)
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とにかく、出てくるものすべて野趣に富んでおり、
その食材が雰囲気あるお皿の上に載って運ばれてくる。

ご主人は小林昭義さん、未だ40代なのだろう、
今まさに旬を迎えている感じが全身からみなぎっているかのようだ。

前菜は暖冬で早くも獲れ始めたフキノトウ、
岩魚の卵、自然薯のスリおろし等。
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フキノトウの鮮烈な春の香りと
強烈な粘りの自然薯に先ずは驚かされる。
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次なる品は吉はしご主人絶賛の胡麻豆腐、
モチッとして胡麻の味が深い絶品である。
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この、画像が人生で初めて食べたものだが、
正体がお分かりだろうか?

これは、ご主人が5日ほど前に仕留めた
ツキノワグマのお刺身である。

肉と言うよりか氷った脂身の刺身、
冬眠前に蓄えた脂身は濃厚でありながら
嫌みのない美味さが口中一杯に広がる。

イタリアの生ハムの逸品、
「サンダニエル」の脂身を思わせる味わいだった。

鹿肉とキジのささ身風の盛り合わせ。
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キジはあくまでもあっさりとした淡白な味、
一方の日本鹿はほのかな野生の香りが漂う。
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ここで箸休み的な一品、
フキノトウ、干し柿、ツバキの天ぷら、
まことに変わった趣向である。

すき焼き仕立ての「熊鍋」は脂が汁に溶け込んで
豆腐、肉厚シイタケ、ネギの美味さを引き立たせている。
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そのあとが、野鴨とイノシシの焼き物、
そして鍋の汁を利用したおうどん、
福光屋の福正宗も手伝って体中がポカポカと心地よい。
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               (野鴨、イノシシ、ともにしっかりとした本来のジビエの味わい)
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デザートのリンゴのシャーベットを食べながらお聞きする
ご主人のお話が実に興味深い。

雪上の足跡を追いながら仲間と無線連絡を取り合って行う
熊狩りのスリルに富んだお話し。

2メートルまじかに迫った熊に向けて銃を構える、
相手は手数を負って死にもの狂い
「ズドーン」と眉間に向けての一発!

普段聞けぬことのない話が続く。

春は山菜、初夏は鮎、秋には自然の舞茸を中心としたキノコ料理、
どれもがご主人が川に山に分け入っての収穫だ。

四季折々、時節の到来をご常連の方々に
ご主人手書きの絵葉書を出すという。

いやはや大変なお店があったものだ。

初夏の鮎の時にはぜひ来よう、
いやいや春の山菜も捨て難い、
金沢詣でがますます楽しみとなってきた。
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by shige_keura | 2015-12-26 08:47 | | Comments(0)
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