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郷愁のスパイ映画 -後編-
21世紀のナポレオン・ソロとイリヤ・クリヤキン、
彼らの活躍や如何に。

今回の映画化に当たり、
製作会社は思い切った定石破りの手法を試みた。

それは主人公の活躍した時代を
かつての東西冷戦下に巻き戻したのである。

「007」、「ミッション・インポッシブル」等の新作は
時代に合わせて秘密兵器、ハイテク装備、自動車等の小道具を進化させている。
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つまり、ショーン・コネリーの初代ボンドが
登場した背景にあるのが東西冷戦、
緊張を背景としながらもボンドにはある種のゆとりが見えた。

一方、当代007・ダニエル・クレイグは
多様化、混迷化を深める現代を背景に
傷だらけになって働きに働くワーカホリックと化している。
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「コードネーム U.N.C.L.E」は
私の懐かしい青春時代にタイムスリップさせてくれた。

映画のソロはアメリカ・CIA、相棒のイリヤはソ連のK.G.B所属、
本来ならば宿敵同士である。

しかし、世界を破滅へと追い込む核兵器製造ノウハウ流出を防ぐべく、
二人は相手を胡散臭く思いながらも
U.N.C.L.Eの指令で腕を携えて行動する。
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尚、U.N.C.L.Eとは正式名称が
United Network Command for Law and Enforcement,
本部をニューヨークの国連本部のそばに置く、
悪の組織を成敗する法執行機関で
米・ソをはじめ当時の世界主要国が加盟している。

言っておくが、これは架空の組織である。




監督のガイ・リッチーはヒット作「シャーロック・ホームズ」で
ホームズとワトソンのコンビを上手く描いた腕が
この作品でも如何なく生かされている。
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ソロ役を演じるのはヘンリー・カヴィル、
「マン・オブ・スティール」でスーパーマン役を演じただけに
テレビ版ソロのロバート・ヴォ-ンに比べると
腕力では数段優っているように思える。

しかしながら、金庫破りを得意とした凄腕の男だが、
実はお人好しで女にはからきし弱いソロを見事に捉えている。

イリヤ役は「ローン・レンジャー」を演じたアーミー・ハマーなので
一見してソロ以上にテレビ版との違和感が強い。

ただ、映画でのイリヤの設定が
チェスの名手にして柔道4段でサンボ大会の優勝者、
しかし父のコンプレックスを持つ情緒不安定な男なのだから
新たなキャラクターとして受け入れるしかない。

最も面白いのはテレビでは登場してこなかった女性、
ドイツ人科学者の娘、ギャビーを演じるアリシア・ビガンダーである。
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決して美人とは言えぬが
当時の人気ファッションモデル・トゥイギーとも
人気アニメ「ルパン3世」の不二子を思わせる
不思議な魅力を発散させていく。
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さて、この作品でもう一人大物俳優が出演している。

彼の名前はヒュー・グラント、
ソロとイリヤの上司課長である
アレキサンダー・ウエイバリーとして出演しているのだが、
これはミスキャストである。
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テレビの「0011 ナポレオン・ソロ」人気の要因のひとつが
レオ・G・キャロル演じたウエイバリーであることは間違いない。

ウエイバリーの悠々迫らず、貫録十分な存在感が
このシリーズを引き締めているのだが、
この役はまさにレオ・G・キャロルのはまり役なのだ。

何しろ彼はヒッチコックに気に入られて
ハリウッドで彼の手がけた作品に最多登場(6作品)している。

特に、ヒッチコックの最高傑作のひとつ、「北々西に進路を取れ」では
主人公のロジャー・ソーンヒル(ケイリ-・グラント演)を助ける
秘密情報部の要人として出演している。
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ならば、ナポレオン・ソロの上役、
ウエイバリーにうってつけの俳優なのだ。

時にレオ・G・キャロル72歳の時のことなので、
ヒュー・グラントの56歳では貫禄が違いすぎる。

ここでの適役はすでに映画界を引退してしまったが
ショーン・コネリーにお願いするほかはない。
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無い物ねだりが実現すれば
アッと驚くヒット作になったことは間違いない。
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映画の主な舞台となったのがローマ、
懐かしい街並みが沢山登場するのも嬉しい。

最後の場面は旧市街を見下ろす瀟洒なホテルのテラス、
前のテーブルに置かれているのがジョニー・ウオーカー黒ラベル、
1960年代初頭、酒党にとって垂涎の高級ブランドだ。

降り注ぐ陽光、主役3人の会話の中に
続編の気配がひしひしと伝わり期待が盛り上がる。
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郷愁の香り豊かな映画に懐かしい街並み。

誰かのセリフじゃないが、
「やー、映画って本当に面白いもんですねー!!」。
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by shige_keura | 2016-01-20 08:47 | | Comments(0)
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